大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立極地研究所

国立極地研究所ホーム>研究成果・トピックス

トピックス

阿部彩子客員教授が「2021年ミランコビッチメダル」を受賞

2021年6月25日

本研究所の阿部彩子客員教授が欧州地球科学連合(EGU)において、「2021年ミランコビッチメダル(Milutin Milankovic Medal)」を受賞しました。

このメダルは、セルビアの地球物理学者ミルティン・ミランコビッチ氏(1879 - 1958年)の科学的功績(地球に入射する日射量の緯度分布と季節変化の計算、公転軌道変化理論を用いた日射量の長期変動の計算)を称えて設立されたもので、長期的な気候変動とモデリングに関する優れた研究に貢献した科学者に授与されるものです。

阿部客員教授の受賞理由のひとつは、ミランコビッチの計算では弱い周期成分でしかなかった10万年周期の日射量変動が、現実の氷床変動の時系列では卓越した周期成分となっている原因を、数値氷床モデリングによって地球内部のフィードバックシステムにあることを実証したことが挙げられています。また、阿部客員教授は、国際的な気候モデリングの比較研究や国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の作成に卓越したリーダーシップを発揮するとともに、氷床と古気候に関する国内外のコミュニティを先導して、この分野の発展に大きく貢献してきたことも受賞理由となっています。

受賞理由となった阿部客員教授の数値氷床モデリング研究には、国立極地研究所が精力的に進めてきた極地の氷床コアを利用した古気候研究の成果や、粘弾性地球モデルを用いた氷床変動に伴う固体地球の変形理論の研究成果も大きく貢献しています。

外部リンク

ページの先頭へ