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「はやぶさ2」が持ち帰った小惑星リュウグウの試料を英国に輸送するための引渡し式

2021年7月7日

宇宙航空研究開発機構(JAXA)の小惑星探査機「はやぶさ2」が昨年12月に地球に持ち帰った小惑星リュウグウの試料については、現在、多くの研究グループに配分され、分析が続いています。6月からは、Phase2キュレーション高知チームでの分析が始まり、極地研においても分析が行われています。今回、極地研で分析する試料の一部について、山口亮准教授と長年共同研究を行っている英国のオープン大学リチャード・グリーンウッド博士のグループが酸素同位体の分析をすることが決まり、この貴重な試料を英国に輸送することになりました。これは、同一試料(それぞれの粒)について極地研で行う組織観察や元素分析との緊密な連携研究、また、南極隕石との比較研究が必要であるためです。ところが、新型コロナウイルス感染症の蔓延下で本来直接研究者が航空機で持参することが困難な状況が続いていました。

今回、日英の科学技術協力のもと、駐日英国大使館の全面的な協力で輸送が行われることとなり、2021年7月1日に、駐日英国大使館からスー・木下首席公使、グリフ・ジョーンズ科学技術部参事官、ジョセフ・ロバートソン科学技術部上級科学技術担当官が極地研を訪問されて、輸送する試料の引渡し式が執り行われました。

引渡し式では、中村卓司・極地研所長の歓迎の挨拶、山口亮准教授と海洋研究開発機構(JAMSTEC)の伊藤元雄主任研究員によるプロジェクト説明、試料の紹介の後、スー・木下首席公使らに試料が引き渡されました。式後、首席公使らは、所内の隕石保管庫や南極・北極科学館を視察され、隕石研究や極地観測の説明を受けられました。

中村所長(右)から試料を受け渡されるスー・木下首席公使(左)

引き渡された試料を手に持つスー・木下首席公使(左から3人目)、グリフ・ジョーンズ科学技術部参事官(左から2人目)、ジョセフ・ロバートソン科学技術部上級科学技術担当官(左端)と中村所長(中央)。右3名はPhase2キュレーション高知チームのメンバーで、JAMSTECの伊藤元雄主任研究員(右から2人目)、極地研の山口亮准教授(右から3人目)、今榮直也助教(右端)。

隕石保管庫で地圏研究グループの今栄助教(右端)から説明を受ける、スー・木下首席公使、ジョセフ・ロバートソン科学技術部上級科学技術担当官、グリフ・ジョーンズ科学技術部参事官

南極・北極科学館で中村所長(左端)から説明を受ける、スー・木下首席公使、グリフ・ジョーンズ科学技術部参事官、ジョセフ・ロバートソン科学技術部上級科学技術担当官

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