南極地域観測第Ⅷ期6か年計画後半に向けて
一般研究観測・萌芽研究観測課題公募要項

 現在実施している南極地域観測第Ⅷ期6か年計画(平成22年度/第52次観測計画〜平成27年度/第57次観測計画)では、研究者コミュニティからの様々な研究提案を取り入れて観測計画を立案しています。この度、平成25年度/第55次観測計画〜平成27年度/第57次観測計画の第Ⅷ期計画後半の3か年について、一般研究観測及び萌芽研究観測の研究課題を公募します。同期間内に実施する計画は、毎年公募する予定ですが、隊員枠や予算に限りがあることと、特に観測プラットフォームや設営支援の準備に時間を要すると思われる計画については、他の計画との調整が必要なることから、是非この機会に応募ください。また平成27年度/第57次観測計画については、第Ⅷ期計画の終了年度にあたるため単年度の計画に限ることとし、次期中期計画(28年度/第58次観測以降)に継続する課題の応募は認められません。

 なお、応募課題の実現可能性を検討するに当たっては、随時、国立極地研究所の分野別コーディネーターが相談に応じます。さらに、毎年開催される「南極観測シンポジウム」で、計画案発表の機会がありますので、活用ください。

1. 研究観測課題の要件

 南極地域における、独創的・先駆的な研究を目的とした、時限を定めて実施する研究観測であること。

2. 研究観測の分類

一般研究観測

 研究者の自由な発想を基に、極地の特色を生かした比較的短期間に集中して実施する研究。南極の極限環境を利用した技術開発や実験も含めます。観測期間内での目的/達成目標を明確に記載してください。国立極地研究所との共同研究観測として扱い、国立極地研究所の第二期中期計画の一端を担うことになります。

萌芽研究観測

 将来、重点研究観測または一般研究観測に発展することを前提とし、そのプレ・スタディとして科学的成果の見通し、技術的課題の解決を図ることを目的とする予察的な観測や技術開発。観測期間内での目的/達成目標を明確に記載してください。国立極地研究所との共同研究観測として扱い、国立極地研究所の第二期中期計画の一端を担うことになります。

3. 計画年数と期間

一般研究観測

 原則2年以内(越冬観測の場合は、開始年度を基準にします。)とします。長期観測を必要とする場合でも、各年度の計画目標などを明確にし、2年以内で申請してください。継続課題については、新規課題と併せて再審査しますので、各年度計画・年度目標は対応年度内で終了できるように設定してください。もし3年度にわたる計画(第55〜57次)が必須である場合については格段の事由を記載してください。

萌芽研究観測

 1年とします。

参考:計画年数と計画期間の例

4. 研究代表者の資格

 1)大学及びその他の教育研究機関に所属する教員及び研究者(大学院学生及び学生は除く)
 2)国公私立研究機関、独立行政法人研究機関等に所属する研究者
 3)上記に準ずる者
 とし、国立極地研究所教員である必要はありません。また、課題提案の時点で国立極地研究所に当該研究分野の研究者がいるかどうかは問いません。

5. 審査の流れ

コーディネーターと専門部会の設定

南極観測センターは、各応募課題に対応するコーディネーターを決定し、各研究代表者との間でスムーズな計画立案・実行時の調整を行います。また対応する専門部会を指定し計画の審査・実行時のアドバイス・自己点検の支援を行います。実施の可能性を高めるため、審査に先立って複数課題の統合などを調整させていただく場合もあります。

審査方法

応募課題は、担当する専門部会を通じてピアレビューを実施し、内容の独創性・先駆性、科学的意義・有効性など、を確認します。同時に、南極観測センターでは、設営的観点からの実行可能性を検討します。その結果をもとに、各専門部会で科学的評価も踏まえた総合的な検討を加え、実行可能性のある計画については、順位づけを行います。

南極観測審議委員会での決定

個々の観測計画について、独創性・先駆性・科学的有効性・意義・実現の可能性など総合的に判断し、観測計画案を南極観測統合推進本部に諮り正式決定されます。
詳しくは下のページから確認ください。

6. 提出書類

研究課題提案書

提案書の書式は、次の研究課題提案書の記載方法のページを確認しダウンロードください

研究課題提案種別:プレ提案書(〆切:平成23年5月31日)を提出ください。南極観測センターでは、各提案にコーディネーターを決定し、観測計画についてのアドバイス・調整を行います。

研究課題提案種別:本提案書(〆切:平成23年6月30日)を提出ください。本提案書は、研究課題種別:プレ提案書に基づき、コーディネーターと調整をした後に、改めて作成するものです。本提案書について上記審査を実施します。

研究観測実施計画書

 採択された本提案書について、研究観測実施計画書を提出してください。この計画書に基づいてヒヤリングを実施し、具体的な実行計画を検討します。研究観測実施計画書は、コーディネーターと協議の上、年次の進行とともに更新ができます。

7. 提出方法

Web上から登録ください。プレ提案書については、受付後担当コーディネーターから連絡いたします。

8. 平成25年度/第55次観測計画・平成26年度/56次観測計画の計画実施の流れ

★公募開始:平成23年4月(プレ提案書締め切り:平成23年5月31日
 コーディネーターによる課題事前調整開始
本提案書締め切り:平成23年6月30日
★公募課題審査開始:平成23年7月1日(コーディネーター・専門部会・ピアレビュー実施)
★南極観測シンポジウム:平成23年9月前半を予定(第54次以降の計画提案と情報交換)
南極観測審議委員会:平成23年10月(第Ⅷ期後期計画・研究課題優先順位の確定)
★本部総会:平成23年11月(第Ⅷ期後期(第55-57次)計画の進捗状況について)
★南極観測シンポジウム:平成24年5月(第55次に開始する計画の紹介、第56次以降の計画提案)
 南極本部総会:平成24年6月(第55次(平成25年度計画)南極地域観測について)
ヒヤリング:平成25年3月(第55次観測実施計画案に基づく計画検討、予算配分審査)
 南極本部総会:平成25年6月(第55次南極地域観測実施計画について)

(★印:提案者に関係する日程)

参考:

1. 利用可能なプラットフォーム

各研究観測の実現に向けては、以下のプラットホームが利用できます。

プラットフォーム

実施観測隊次

関連重点研究観測・設営計画

昭和基地

55次夏・越冬、56次夏・越冬、57次夏・越冬

サブテーマ1:南極域中層・超高層大気を通して探る地球環境変動

南極観測船しらせ

55次夏、56次夏、57次夏

サブテーマ2:南極海生態系の応答を通して探る温暖化過程
サブテーマ3:氷期-間氷期サイクルから見た現在と将来の地球環境

大陸沿岸(ヘリコプター運用を含む)

55次夏、56次夏、57次夏

サブテーマ3:氷期-間氷期サイクルから見た現在と将来の地球環境

他の海洋観測船の活用

55次夏、56次夏

サブテーマ2:南極海生態系の応答を通して探る温暖化過程

内陸

55次夏、56次夏、57次夏

【設営計画】・内陸基地拡充に向けての整備
・陸上輸送システムの開発
・航空輸送の研究

2. 予算規模(提出実績)

前半の3か年で採択した一般研究観測課題は21件、予算規模は年100万から4000万円、萌芽研究観測課題は5件、予算規模は年100万から1000万円です。採択後は研究観測実施計画書に基づき、各年度毎に、参加隊員数・予算などのヒヤリングを通して、最終的な予算を決定します。実施計画書のヒヤリングに基づく予算実績については審査の流れを確認ください。

3. 国立極地研究所コーディネーター(主な対応分野)

門倉昭(宙空圏)、牛尾収輝(気水圏)、野木義史(地圏)、伊村智(生物圏)、本山秀明(内陸)、山岸久雄(重点研究観測幹事)
○各課題提案に対応するコーディネーターは南極観測センターが課題提案者と相談して決定します。

4. 次年度以降の第[期南極観測事業(一般研究観測・萌芽研究観測)に関する公募の予定

平成23年度:本公募
平成24年度:平成26年度/第56次夏期観測計画〜平成27年度/第57次夏期観測計画、
及び平成26年度/第56次越冬観測計画〜平成27年度/第57次越冬観測計画
平成25年度:平成27年度/第57次夏期観測計画、及び平成27年度/第57次越冬観測計画
(平成26年度:平成27年度/第57次観測における公開利用研究のみ可能)

本件連絡先

国立極地研究所南極観測センター(副センター長(観測担当):神山)
, 042-512-0775
南極観測センター企画業務担当 042-512-0780