2010年に“南極・北極の今”を発信する広報展示施設として開館した国立極地研究所 南極・北極科学館は、2020年7月24日(祝・金)に開館10周年を迎えます。これを記念して、南極・北極科学館について詳しくご紹介します。
南極・北極科学館のあゆみ
南極・北極科学館設立までのルーツを辿り、開館から10年のあゆみを映像で振り返ります。
南極・北極科学館 展示紹介
国立極地研究所で行われている観測・研究をご紹介する、南極・北極科学館。南極や北極で実際に使用している観測機器、標本やはく製、オーロラ映像、南極の氷など、貴重な展示がたくさんあります。館内を回って、展示を見てみましょう!
開館当時を知る方々にインタビュー
科学館の開館当初を知る方々に、当時のことを語っていただきました。
これを読むと科学館が一段と楽しめます!
建物&見どころ紹介マップ
極地研の敷地には、どんな建物があるのでしょう?
また、極地に関連するモニュメントや実物などが所々にあるのをご存知ですか?
それぞれの建物と、敷地内の見逃せないスポットをご紹介します。
スポットをクリックすると、それぞれの説明がご覧いただけます。

総合研究棟
地上6階、地下1階からなるこの建物は総合研究棟とよばれており、国立極地研究所、統計数理研究所、国文学研究資料館の3機関が同じ建物の中で研究活動を行っています。
JR立川駅からモノレールで1駅の距離にあり、都心から離れた緑豊かな環境で、晴れた日には富士山を望むこともできます。

初代「しらせ」スクリュー
1982~2007年まで使われていた南極観測船「しらせ」のスクリューブレードです。第25次~第49次南極地域観測隊がこの初代しらせで南極に行きました。現在の観測船「しらせ」は2代目です。
こちらにあるスクリューブレードの重さは3.5トン、高さは人の背丈を超えるほどで、目の前にするとかなりの大きさであることを感じていただけるはずです。

蜂の巣岩
氷の大陸南極にも岩石が露出している場所があります。表面が穴だらけの岩が見られることがあり、その形から「蜂の巣岩」と呼ばれています。南極での強い風が、風化によってもろくなった岩の表面にへこみを作り、へこんだ部分が飛んできた砂流によってさらに削られ、だんだんと穴が深くなっていったものと考えられています。すべての石に蜂の巣状の穴ができるわけではなく、同じ場所であっても、石の種類によっては全く穴が見られないものもあります。ここにある大きな岩は、南極の昭和基地から持ち帰ったものです。

TACHIHIオーロラシアター
開館から7年後の2017年1月に、株式会社立飛ホールディングスのご協力のもと、投影機をリニューアルしました。そのため、「オーロラシアター」から「TACHIHIオーロラシアター」に名称を変更しました。プロジェクターの明るさやコントラスト比が大幅に向上し、よりリアルに、より美しいオーロラの上映ができるようになっています。
直径4mの全天ドームスクリーンに、南極や北極で観測したフルカラーのオーロラ映像を、臨場感のあるムービーとして上映します。全天をダイナミックに乱舞するオーロラを体感できます。

国立極地研究所 南極・北極科学館
“南極、北極の今”をご紹介する国立極地研究所の広報展示施設です。南極や北極でどんな観測研究活動が行われているのかを、わかりやすく展示しています。南極の氷をさわって水と大気について学んだり、隕石や岩石を偏光顕微鏡で観察して太陽系の歴史を探ったりすることができます。
普段、極地研で展示物の見学ができる場所は、この南極・北極科学館と総合研究棟1階のアトリウムのみです。
※新型コロナウィルス感染症拡大防止のため休館中
https://www.nipr.ac.jp/science-museum/info/20200530.html

モニュメント「極光」
日本の南極観測のルーツは、今から100年以上前の1912年に、白瀬矗ひきいる南極探検隊によって実施された学術探検にまでさかのぼります。白瀬南極探検隊が南極到達という偉業を成し遂げたのです。この白瀬の偉業のため、日本の南極観測が各国から認められました。そして、1956年に第1次南極地域観測隊が派遣されました。らせん状のステンレス板からなるこのモニュメントは、白瀬南極探検隊の南極到達100 周年を記念したものです。

カラフト犬ブロンズ像
今から60年以上前の第 1 次南極観測で活躍したカラフト犬のブロンズ像です。この場所に移設される前は、東京タワーの入り口に設置されていました。この15頭の中に有名なタロ・ジロがいますが、どれがその2頭の像なのかはわかりません。
南極観測は厳しい草創期があって今につながっていることを伝えてくれるモニュメントとなっています。

科学館看板
テレビアニメ「宇宙(そら)よりも遠い場所」に登場し一躍有名になった看板です。制作前にはすでに新調されていましたが、アニメでは老朽化した数年前の状態で描かれています。ぜひ見比べてみてください。

科学館シンボルツリー
ヤマボウシの木です。春に若葉が開き、初夏に花を咲かせます。秋には紅葉して色づき、夕暮れ後には周囲の照明にライトアップされます。南極・北極科学館のパンフレット、表紙の下のロゴマークをよーく見てみてください。このシンボルツリーもイラストにしっかりと描かれています。

談話室サザンクロス
3機関の共通スペースです。昼食時は職員がそれぞれお弁当を手に集まり、賑わいます。南極・北極科学館のイベント「サイエンスカフェ」や「めざせ!極地の研究者」の会場はこちらですよ。

極地観測棟(南極観測センター)
総合研究棟と3階の渡り廊下でつながっています。3階には観測隊員事務室などのオフィスが広がり、2階は観測・設営機材倉庫、そして1階は観測隊物資の作業スペースとなっています。毎年7月に入ると「隊員室開き」が行われ、次の隊の南極観測隊員(候補者含む)が、この南極観測センターで出発の準備を始めます。(一般の方は入ることはできません)
Akaike Guest House(アカイケ ゲスト ハウス)
統計数理研究所の故 赤池弘次元所長の業績を称え、名付けられました。
共同研究を行う上で欠かすことができない、研究員や職員のための宿泊施設です。外国からの長期滞在者やその家族にとっても必要な施設です。(一般の方は入ることはできません)
アトリウム
中央玄関から建物に入ると、広い交流アトリウムがあり、3機関の共通スペースとなっています。それぞれの機関のポスターや展示物が設置されています。極地研では、南極大陸や昭和基地のジオラマ、極地にすむ動物の剥製、隕石や岩石などの一部を展示しています。
普段、極地研で展示物の見学ができる場所は、この総合研究棟1階のアトリウムと南極・北極科学館のみです。
※新型コロナウィルス感染症拡大防止のため、現在は入館制限をしています。
https://www.nipr.ac.jp/info/notice/20200602-2.html
全国の科学館と連携
国立極地研究所 南極・北極科学館は全国各地の科学館などと連携して、極域科学や南極観測についての理解増進と知識の普及のため、展示や講演会などでの連携・協力を進めています。開館して10年。現在は16の施設と科学館連携協定を締結しています。
番号をクリックすると、各館のHPがご覧いただけます。