EN

北極海氷分布予報

  1. HOME
  2. 北極海氷分布予報
  3. 2023年拡大期予報

2023年拡大期予報

2023.10.02 北極海氷情報室、木村詞明(東京大学大気海洋研究所)

2023年10月1日から11月30日の海氷分布予測値。
図1:今年の10月1日から11月30日の海氷分布予測値。
  1. 北極域全域で平年より遅いペースで海氷域が拡大する見込みです。
  2. ロシア沿岸側は10月15日頃、多島海を除くカナダ沿岸は10月22日頃に海氷域が沿岸に達し、航路が閉じるでしょう。
10月1日、11月1日、11月30日の予測海氷分布。
                            図2:10月1日、11月1日、11月30日の予測海氷分布。
予測された海氷密接度の平年値(2003-2022年の平均値)からの偏差。
図3:予測された海氷密接度の平年値(2003-2022年の平均値)からの偏差。青が平年より密接度が大きい場所、赤が平年より密接度が小さい場所を示す。

北極海の海氷域は9月中旬に最小となり、その後、拡大をはじめました。 今後については、図3に示す通り、夏に例年よりも大きく海氷が後退したラプテフ海から東シベリア海、チュクチ海、ボーフォート海にかけての海域では海氷域の拡大が平年に比べて遅くなることが見込まれます。 また、カラ海、バレンツ海についても海氷のない期間が平年よりも長かったため、 海氷域の広がりは平年に比べて遅くなることが見込まれます。 海氷域が岸に達し航路が閉じるのは、ロシア側では10月15日頃、多島海を除くカナダ沿岸では10月22日頃になる見込みです。


北極海の海氷面積は減少時と逆のパターンで増加していく傾向があり、早く海氷がなくなった海域(年)は、秋に海氷が張り出すのが遅くなります。 そのため、ある場所での海氷のなくなる早さと秋の拡大時の張り出す早さには相関があります(詳しくは2017年の秋予報をご参照ください)。 早く海氷がなくなると海面がより長期間にわたって温められ、秋の結氷が遅くなることが要因のひとつと考えられます。

今回の予測は2003年から2022年までの18年間のデータを用いて、5月1日から8月31日までの海氷密接度が15%以下だった日数と10月1日以降の日の海氷密接度との相関関係を用いて行いました。


この予測には人工衛星搭載の国産マイクロ波放射計AMSR-EおよびAMSR2による観測データを用いました。

毎日の 予測図 及び 海氷齢(日齢、年齢)は国立極地研究所の北極域データアーカイブシステムでも見ることができます。