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2020年9月21日 週刊海氷情報

今週の北極海氷予報と観測の比較をしていきます。
今回も比較の前に、衛星観測による9月21日(月)の海氷分布を見ましょう。北極海全域の海氷域面積は拡大に転じましたが、ここ数日(9月18日頃以降)は停滞状態です。これからまた拡大してゆくと思います。
Beaufort海(アラスカ沖合)にヒゲのように伸びている海氷は古い多年氷だろうと以前言いましたが、木村さんの最新の解析によると(←未公開)、4年目以上のとても古い氷のようです。ここの氷の「見た目」(氷の解け方とか、分裂状態とか、逆に積み重なり状態とか)がどうなっているか、科学的にも船舶の航行条件としても、とても興味のあるところです。19日に清水を出港した「みらい」に、「もしもこの氷に近づけたら、映像資料をなるべく撮ってきて下さい」とお願いしましたが、どうなりますでしょうか?「みらい」がこの辺に行く10月中旬には、この古い氷の周りを新生氷が取り巻いているという状況だと思います。砕氷能力のない「みらい」では、新生氷でも氷があったらそこに入っていけません。ドローンで撮影できる距離まで近づけるかは「運次第」となります。砕氷研究船が必要です。砕氷機能のある北極域研究船の建造・運用を国が認めてくれることを熱望。

Ver.1の予報は9月20日までしかないので、20日の比較をしています。次回から、ver.1の予報は比較から外れます。Ver.2,3の予報は、9月30日まであります。

5月に予報したにしては良い感じですが、ロシア側の氷を多過ぎに予報し、Beaufort海(アラスカ沖合)のヒゲの様な氷を予報できていないのは、これまで通りです。ver.2(6月30日に予報発表)は、ロシア側については5月22日に予報発表したVer.1よりは精度が良いけど、Beaufort海はver.1の方がまだ近いです。

人工衛星による観測図
人工衛星による観測図(2020年9月21日)

予報ver1
予報ver.1(5月22日に予報発表)との比較

予報ver2
予報ver.2(6月30日に予報発表)

予報ver3
予報ver.3(7月30日に予報発表)