総研大生、宇宙よりも遠い場所へ

総研大の紹介

総合研究大学院大学(総研大)は、国立極地研究所をはじめとした日本各地の研究所で研究者を養成する5年一貫制の大学院です。極域科学専攻には、北極・南極での自然現象を中心に研究を行う学生が19人(2021年8月現在)在籍しています。

学生は宙空圏・気水圏・地圏・生物圏の4つの研究グループに所属し、博士号取得に向けて、それぞれの研究テーマを持って研究を進めています。研究テーマ次第では実際に南極・北極に行って調査することもあります。

学生の多くは学士号取得後に入学し、5年間で博士号を取得することを目指します。通常の大学院とは異なり、修士課程・博士課程という区分がありません。そのため5年間という長い期間で研究計画を立てることができます。別の大学院で修士課程を修了した学生も3年次から編入することができます。

極域科学専攻では教員が学生よりも多く、学生は2人の指導教員から指導を受けることができます。他にも実際に観測に行ったり、海外の学会に参加したりする機会が豊富にあります。極域研究はさまざまな分野の研究者が極地という同じフィールドで研究を行うため、国内外・分野を問わず研究者との交流が生まれます。

この素晴らしい環境を活かし、積極的に挑戦していくことで一般的な大学では得られない経験を得ることができるでしょう。
ぜひ極域学専攻に入学して私たちといっしょに南極・北極の研究に取り組みましょう!

南極・昭和基地で総研大生4人で撮影した写真(2018年1月)

総研大のロゴ(©SOKENDAI)

極域科学専攻の学生のフィールドワーク

総研大極域科学専攻の学生は研究の一環で南極や北極へフィールドワークに行くことがあります。例えば、生物圏の学生はペンギンなどの大型動物の生態調査や、南極海や南極湖沼に生息するプランクトンの採集を行い、極域の生態系の研究に役立てます。宙空圏の学生はオーロラの観測を通して磁気圏と太陽活動の関わりについて研究します。地圏の学生は岩石サンプルを採取・分析することによって、昔の南極氷床の融解過程について明らかにします。気水圏の学生はグリーンランドでアイスコアの採取に参加したことがあります。

今年の第63次南極地域観測隊にも気水圏の学生が参加する予定です。学生のうちから極地へ行きフィールドワークの経験を積めることは、極域科学専攻の大きな特色といえるでしょう。

アデリーペンギンのヒナの体重計測中(撮影:JARE60 渡邊日向)

無人飛行機からオーロラ観測に挑戦(撮影:JARE59 内田ヘルベルト陽仁)

岩石サンプル採取風景(撮影:JARE57 川又基人)

グリーンランド氷床上のキャンプを照らす幻日(撮影:繁山航)

極域科学専攻の学生が見た景色

南極でのフィールドワークの魅力は、日本国内ではまず見られない動物や自然現象に出会えることです。ここでは、極域科学専攻の学生が南極地域観測隊に同行した際にカメラに収めてきたベストショットを紹介していきます。

昭和基地の外観(撮影:JARE61 髙橋啓伍)

昭和基地から見た月(撮影:JARE59 川又基人)

南極観測船「しらせ」(撮影:ARE59 内田ヘルベルト陽仁)

アデリーペンギンの親子(撮影:JARE58 伊藤健太郎)

59次隊越冬帰路「しらせ」の真上に出たオーロラ(撮影:JARE59 内田ヘルベルト陽仁)

飛び込むアデリーペンギン(撮影: JARE60 和田智竹)