雪氷課題 シベリア氷河観測チーム

東シベリア・スンタルハヤタ氷河観測が無事終了!(2013.8.28)

現在地:ロシア・サハ共和国・スンタルハヤタ地域(北緯62度36.783分、東経140度50.598分)
チームメンバー:門田勤(JAMSTEC)、白川龍生(北見工大)、中澤文男(極地研)、日下稜(北見工大D2)、宮入匡矢(千葉大M2)、藤澤雄太(千葉大M1)

スンタルハヤタNo.31氷河:ベースキャンプ裏手の稜線上から撮影した、この氷河の全景です。

スノーピットでの観測:氷河最上部にてスノーピットを掘り、観測している様子です。

氷河キャンプでの共同生活:皆で分担して食事を作りました。(写真は千葉大の宮入君と藤澤君)

観測を終えたヘリ機内にて:満載の荷物をバックに集合写真を撮りました。皆、いい表情です!

ロシア・東シベリア・スンタルハヤタ地域では、7月29日から8月24日まで、山岳氷河の観測を行いました(写真1)。この観測は昨年度から実施しており、今年は2年目になります。日本から6名、ロシアから5名、計11名の研究者が参加しました。当初、7月15日に現地入り予定でしたが、現地悪天候のためヘリコプターの順延が続き、2週間遅れで観測が始まりました。

観測内容は、(1)気象データの取得、(2)氷河表面の質量収支、(3)流動速度の計測、(4)末端位置の把握、(5)雪氷生物の調査、(6)氷河地図作成用の測量、(7)氷厚の測定です。今夏も氷河の融解は進んでおり、氷河上の生物も数多く確認されました。現地滞在中は比較的天候に恵まれ、GPS測量やアイスレーダー観測、雪氷サンプルの取得は概ね順調に進みました(写真2)。帰国した現在はメンバーで分担して観測結果の整理や解析を進めているところです。今後、結果を極域科学シンポジウム等の機会で皆さまに報告予定です。

現地ではベースキャンプと氷河キャンプを設営しテントで生活しました。食事もメンバーが自ら交替で調理し、文字通り同じ釜の飯を食べながら観測を続けました(写真3)。キャンプ生活終盤は文明圏から用意した食材の一部が枯渇し、降雪や氷点下の気温に苦しんだこともありましたが、皆で助け合い無事に観測を終えました。写真4は文明圏に戻るヘリの中で撮影した集合写真ですが、皆、いい表情をしています。観測自体に加え、こうしたキャンプでの共同生活も貴重な経験として今後生きてくると思います。最後になりましたが、今回の観測に際しお世話になった全ての皆さまに感謝します。ありがとうございました。