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南極・北極科学館で展示中の南極点到達雪上車KD604が機械遺産に認定

2014年8月8日

1968年から69年にかけての南極点到達プロジェクトで使用された雪上車4台のうち、日本国内で保管・展示されているKD604とKD605が、日本機械学会の「機械遺産」に認定され、8月7日、認定証が授与されました。

南極点への往復のためには、平地から4,000メートルの高地に対応できるエンジン、-60℃に耐える耐寒性、硬い氷床に耐える耐震性、約8トンの重量を引く牽引能力、5,000キロメートル以上の行程に耐える強度と耐久性、4人の隊員が5ヶ月間生活できる居住性などを兼ね備えた新雪上車の設計開発が必要でした。

KD60型雪上車は、これらの南極の厳しい環境に対応すべく試作を重ねて製作されました。また、極寒の中でもできるだけ車内が温まるよう、車体は太陽熱を吸収しやすい黒に塗られました。

第9次日本南極地域観測隊の極点到達プロジェクトでは、KD603、KD604、KD605、KD606の4台が使用されました。故障で途中放棄されたKD603を除く3台は、1968年12月19日、日本の観測史上ではじめて南極点に到達するという偉業を達成しました。昭和基地~南極点の往復5,200キロメートルを5ヶ月間にわたる旅程で走破しました。

KD60型雪上車はその後も10年にわたって内陸調査に活用され、世界初の南極隕石の発見も、この雪上車を使用した調査旅行で成し遂げられました。

国立極地研究所 南極・北極科学館では、南極点到達雪上車KD604を、現役当時の雄姿そのままに常設展示しています。

機械遺産の認定証を手にした極地研 白石所長と、KD604雪上車。開館中にはKD604の中に入り、運転席に座ってみることもできる。

機械遺産認定証

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