昭和基地における地上気象観測は気圧、気温、湿度、風向・風速、全天日射量、日照時間、積雪の深さを観測機器にて連続観測するとともに、雲、大気現象、視程を目視で観測しています。降水量は強風が多く雪の捕捉が難しいなどの理由から観測を実施していません。観測結果はインテルサット衛星回線を利用した気象庁経由の全球通信システム(GTS:Global Telecommunication System)通報方式を用いて1日8回(現地時間00時、03時、06時、09時、12時、15時、18時、21時)通報され、各国の気象機関や関係機関など各方面で利用されています。
国内と違うところは、南極の温度計と湿度計が通風筒とともに百葉箱に入っていることです。南極の雪は粒が非常に小さいため、 百葉箱を使用せずに外に設置すると温度計と湿度計が入っている通風筒の内部に雪が大量に入り込んで詰まってしまい、観測ができなくなります。しかし、ふぶきになると百葉箱の隙間から百葉箱の中に雪が入り込みます。そのため、ふぶきが長時間続いた後には必ず百葉箱の点検を実施します。雪が溜まっていた場合、その都度雪を取り除き、通風筒の内部に雪が入らないようにします。5月7日も強いブリザードを記録したため、ブリザード後に百葉箱の除雪をしました。
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