Arctic Environment Research Center

北極ニーオルスンNOW!! ~ニーオルスン基地から情報を発信します~

ニーオルスン基地を利用する国立極地研究所の研究者等からのメッセージをご紹介します。

ニーオルスンからのメッセージ

2025/7/5

昨年の夏に引き続き、東ブレッガー氷河方面への調査に出かけました。
昨年8月にこの氷河を訪れた際も、氷河の表面は汚れていたのですが、氷河を黒く染める原因の1つとされるクリオコナイトは見当たりませんでした。一方、今回は昨年よりも約1ヵ月早い時期だったからなのか、クリオコナイトホール(クリオコナイトが底に溜まった円柱状の水たまり)が広く分布していることを確認することができました。
氷河上での調査とサンプリングを済ませた後は、アウトウォッシュ・プレーン(氷河から流出した水流によって作られる地形)の調査を行いました。アウトウォッシュ・プレーンは、北極の大気中でみられるダスト(砂塵)の主要な発生源の1つであると考えられています。昨年度に引き続き、今回も氷河から流出する河川の流れに沿って歩いて移動しながら、東ブレッガー氷河由来の赤っぽい色をした河川水や堆積物のサンプリングを無事に行うことができました。

2025/7/3

今年の夏も、スバールバル諸島にある国際観測村であるニーオルスンにやって来ました。日本からニーオルスンまでは、デンマークのコペンハーゲン、ノルウェーのオスロ、スバールバル諸島のロングイヤービンという町を経由して航空機で移動しました。ロングイヤービンからニーオルスンまでは約100 km離れていますが、小型の航空機での30分弱のフライトを経て到着しました。
昨年の夏の訪問時には、エアロゾルや雲の観測を行っているツェッペリン山の雪は、ほぼ全て解けていました。一方、今年の夏は約1ヵ月早く到着したということもあると思いますが、まだ雪が結構残っていました。ニーオルスンの港には、観光船が停泊しており、今年も数多くの観光客が訪れているようです。
本日ニーオルスン入りした5名のメンバーは、今年4月から始まったArCSⅢプロジェクトのエアロゾル課題に関連する活動を行う予定です。5名中2名は常連ですが、エアロゾル課題代表の研究者(気象研究所)と大学院生2名は、初めての滞在になります。今年の夏も、ホッキョクグマが頻繁に出現しているようなので、安全第一で予定している活動に取り組もうと思います。

2025.7.3

北極ニーオルスンNOW!! 2025
観測シーズンが到来し、今年も多くの研究グループがニーオルスンで観測をします。滞在している国立極地研究所の研究者から写真とメッセージが届いたので紹介します。

ニーオルスンの位置

ニーオルスンはノルウェー本土と北極点との間に位置するスバールバル諸島スピッツベルゲン島にあり、北緯78度55分、東経11度56分に位置します。

大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立極地研究所 北極観測センター
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