北極海の環境変動を考慮した持続可能な航路利用の探究
北極海の環境変化を考慮すると、北極航路(北東航路および北西航路)の利用は増加が予想され、低アイスクラス船や大型船舶の通過が増加すると見込まれます。一方で、波が漂流氷域の奥深くまで浸透し航行を妨げる可能性や、多年氷や氷河からの硬い氷片が航路に漂流することが示唆されています。
このような状況下で北極海の環境を保護し、航路の持続的な利用を確保するためには、安全な航行を支援する航路の氷情報の提供、経験に基づく評価ではなく科学的知見に基づいた船舶性能と安全性の評価、そして事故対応がこれまで以上に重要となります。また、安全性を確保した上で、経済的な航路や船舶の選定を可能にする手法が求められます。
本研究課題では、北極海の環境変化をふまえ、近い将来の船舶運航を支援する手法を構築することを目指し、以下の3つの課題に取り組みました。
- 船舶航行を支援するための海氷情報(海氷厚や変形氷の情報を含む)の生成手法の開発
- 科学的手法に基づく船舶の性能(速度と燃料消費)および安全性の評価
- 特に環境リスクである油流出事故の影響評価および対策
また、上記の点を考慮した際の経済的側面にも焦点を当て、近い将来の北極航路の経済性および社会への波及効果を評価しました。
ArCS II 2020-2025成果報告書「4.8 北極航路課題」では、本研究課題の成果を報告し、変化する環境条件の中で北極海における安全かつ効率的な船舶運航を支援するための進展について洞察を提供します。
研究課題の背景や概要
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研究業績
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取得データ
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