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北極動植物相保全(CAFF)作業部会役員会議について

報告者:内田 雅己(国立極地研究所/陸域課題)

 2020年9月16日から17日(日本時間では17-18日)にかけて、北極動植物相保全作業部会(CAFF)の役員会議がオンラインで開催されました。今回はスウェーデンが議長国となって3回目の会議であり、北極国と常時参加者に加え、国連環境計画(UNEP)、世界自然保護基金(WWF)、国際北極科学委員会(IASC)、イタリア、オランダ、スイス、スペイン、ポーランド、中国、韓国、日本が参加しました。 

 今回の会議は、高級北極実務者(SAO)会合に向けた2019-2021年の活動成果報告および2021-2023年の作業計画の提出を考慮したものとなりました。

 ここ数年、作業部会間の協業が活発化しています。北極圏の侵略的外来種(ARIAS)プロジェクトについては、今後の実施計画について議論されました。特に、バラスト水などの船舶による侵略的外来種の移動に関するCAFFと北極圏海洋環境保護作業部会(PAME)の共同作業の可能性について検討されました。また、CAFFと北極圏監視評価プログラム作業部会(AMAP)におけるスコーピングプロセスについては、これまでの進捗状況と次のステップの概要の説明がありました。この中で、伝統的な知識や地域固有の知識を取り込むことについての議論やCAFFとAMAPでのコンセンサスを得ることの重要性について議論されました。

 北極渡り鳥イニシアティブ(AMBI)では、オブザーバーの貢献記録(ROC)についてSAOの承認を得ました。今後オブザーバー国であるスペイン、韓国および中国とROCの開発を進める予定です。東アジア・オーストラリア地域フライウェイについては、インドとの関係強化を図っており、フライウェイの名称の変更についても検討することになりました。

 北極圏生物多様性行動計画は2021-2030年の行動計画を作成する必要がありました。しかし、COVID-19蔓延の影響により北極域での活動の見通しが立たず、計画策定が困難なため、行動計画の完成を2023年まで先延ばしにすることになりました。このようにCOVID-19はCAFFの活動に多大な影響を及ぼしていますが、SAOもこのことを危惧しており、COVID-19がCAFFに与える影響、およびCOVID-19とその影響に関係する潜在的な新規プロジェクトについてCAFFに回答を求めています。そのため、CAFF事務局と役員メンバーは、COVID-19がCAFFの活動にどのような影響を与えているのか、また今後どのような影響を及ぼすのかについて情報収集をすることになりました。

CAFF ウェブサイト(英語)