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持続可能な開発作業部会(SDWG)オンライン総会

報告者:大西 富士夫(北海道大学/国際政治課題)

アイスランドからロシアに議長国が交代して最初に開催されたSDWG総会(SDWG Plenary Meeting)が、2021年10月26日火曜日から28日木曜日にかけて開催されました。SDWG総会は通常、議長国の北極域の町で開催されるが、ロシアでコロナ感染が勢いを増していることもあり、昨年に続き、今回もオンライン開催となりました。また、当初は10月5日から7日にかけて開催予定でしたが、日程が直前になって変更されるのは珍しいことでした。本会合の司会は、SDWG議長でロシア外務省のアビダット・マゴメドワ氏が務めました。

会議では冒頭、ロシアの上級実務者代表のニコライ・コルチャノフ大使からの歓迎スピーチの後、SDWG-Work-Plan2021-2023とSDWG常設事務局の設置に向けた準備状況が報告されました。同文書は、本WGの行動計画であり、本年2月から協議が続けられてきたものです。常設事務局はカナダ政府が支援する形で準備が進められており、事務局のラバル大学内に設置される予定になっていると報告されました。
 続いて、新規プロジェクトの提案、現在稼働しているプロジェクトの進捗報告、準備段階にある新規プロジェクトの紹介、専門家グループからの進捗報告、SDWGとの協力可能なロシアの事業の紹介、事務報告という順番で会議が進行しました。

全体を通しての感想は、多くのプロジェクトにおいて責任者がロシア側へと引き継がれていましたが、プロジェクト内の意思疎通が上手くいっているものとそうでないものがあり、上手くいっていないものについては、意思決定プロセスの透明化を求める声が上がりました。コロナ禍の影響により多くがオンラインによる会合になり、意思疎通が必ずしもうまくいっていないとの印象が残りました。新規プロジェクトの提案では、永久凍土の融解に対する対策を中心とするプロジェクト(Advancing Arctic Resilience)と、観光による被害からICT活用による遺跡の保全についてのプロジェクト(Preserving ARCtic ARChitectural Heritage)が提案され、加盟国から高く評価する声が多く上がりました。いずれも優先度の高いプロジェクトであり、今回の会合の大きな成果でした。

SDWG ウェブサイト(英語)