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ASSW2023・IASC陸域作業部会会合参加報告

報告者:内田 雅己(国立極地研究所/陸域課題)
檜山 哲哉(名古屋大学/陸域課題)

国際北極科学委員会 (International Arctic Science Committee:IASC)の陸域圏分科会(Terrestrial Working Group:TWG)が、ASSW2023 (Arctic Science Summit Week 2023)開催期間中の2023年2月19日に開催されました。会場はオーストリア・ウィーンでしたが、オンラインでの出席も認められていたため、ハイブリッドでの開催となりました。

会議の冒頭では、議事次第の確認を行ったのち、各国代表者がナショナルリポートについての説明を行いました。その後、陸域圏科学分科会(TWG)が資金提供する6つの活動に関する報告が行われました。そのうち、北極圏クリティカルゾーン観測網(Arctic Critical Zone Observation Network)は、2023年1月にイタリアのピサで1回目のワークショップを開催しました。これまでに得られた成果について、18名から発表がありました。その後、科学的な問題点について整理したのち、共通測定項目を決定しました。北極植生アーカイブプロジェクト(Arctic vegetation archive)は、2022年に予定していたノルウェー・トロムソでのワークショップがCOVID-19蔓延の影響によりキャンセルされましたが、2023年2月にオーストリア・ウィーンでハイブリッドの形式によるワークショップを開催できました。現在までの植生データはTurboVeg2(https://www.synbiosys.alterra.nl/turboveg/ )で利用可能になったことが報告されました。

北極圏研究計画国際会議(ICARP)は10年ごとに北極圏における研究計画を立案しています。2025年から4期目が始まるため、それに向けた研究課題について、考えを出し合いました。その中では、北極陸域のジオシステムとエコシステムにおける知識向上;陸上および淡水域における地球温暖化の増幅または緩和させる環境とバイオスフィアのプロセスにおける要因解明;種間の相互作用、種と環境の相互作用、極限環境における生物に関する統一的な概念、基礎理論、およびコンピュータモデルの開発;北極圏の地形と生物多様性の過去の変化と現在の変化の情報から、将来の変化を予測することなどの項目がありました。