2020年度海洋地球研究船「みらい」北極航海

海洋研究開発機構(JAMSTEC)が保有する海洋地球研究船「みらい」は、ArCS IIの活動として、2020年度も北極航海を行います。予定している観測は主に戦略目標①の研究課題によるものですが、研究成果やデータの発信、他の戦略目標の研究課題との連携を通じて、戦略目標②③④の達成にも貢献します。また重点課題②戦略的情報発信を目指して、メディアや民間のシンクタンクに与える3名分の乗船者枠を準備し、「みらい」による北極海での観測研究に対する取材や観測現場の体験を社会への情報発信に繋げます。

この航海では、国際連携による北極海同時広域観測Synoptic Arctic Survey(SAS)も実施されます。

海洋地球研究船「みらい」
航海期間:2020年9月19日(土)~2020年11月2日(月)までの45日間
調査海域:北極海・ベーリング海・北太平洋

「みらい」北極航海の航路

(提供:北極域データアーカイブシステム)

北極海からのメッセージ

北極海を航海する「みらい」の乗船者からのメッセージです。
期間中、毎日の発信を目標としていますので、お楽しみに。
(こちらの内容はJAMSTEC公式Twitterでも発信しています。)

※記事末尾の日付は発生日ですので、掲載順と異なる場合があります。

「みらい」は11/2に清水港に入港し、45日間の北極航海を無事終えました。乗船者の協力で随時発信してきた「北極海からのメッセージ」もこれで終了します。今後は研究成果を皆様にお伝えできればと思います。これからも北極研究と北極域研究加速プロジェクト(ArCS II)の応援をお願いいたします。

みらいはついに帰港を明日に控え、清水港沖に到着しました。
応援して下さったみなさま本当にありがとうございました!
今後魅力的なサイエンスで恩返ししていきます!(2020/11/1)

みらいが観測をしていた海域の時間と日本時間とでは4時間の時差があります。22時を回ると時計の針が、突然、動き出し・・・あっという間に時刻は21:00に・・・不思議ですねえ、今日は1時間、得をした気分。あと1時間巻き戻ると日本時間、ということは、夜が1時間長くなるのも、あと1回だ!(2020/10/29)

無事に低気圧を抜け、久々の良い天気!真っ青な空と海に囲まれ、みらいは北太平洋を南下中です。船上ではデッキ洗浄やサンプルのパッキングなど航海の締めくくりに向けた作業が。もうすぐ45日ぶりの陸、着いたら何をしようかな??(2020/10/27)

北極海での観測を終え、船内では観測報告会が開かれました。今年の海氷状況や融氷水の広がり、水温や化学成分の分布、そしてそれらがどう北極海の生態系に影響を及ぼしているのかが議論されました。環境DNAやマイクロプラスチックといった新たな観測もできました。(2020/10/24)

朝ごはんクイズの答えは「少なくとも4種」でした!(写真では見づらかったかも)
大皿にサバ、その横のふりかけにカタクチイワシのシラス。
見逃しやすいのが小鉢の魚肉ソーセージ(スケトウダラなど?)、そして味噌汁のだし(カツオやイワシ?)。
私たちの食事にはいろいろな形で魚が利用されています。(2020/10/26)

環境DNAを解析すると、その場にいない生物のDNAも検出される可能性があります。
この原因のひとつが、食品由来のDNAの持ち込みです。
このような間違いを検証するためには、日々の食事メニューも重要なデータになります。
ここでクイズ。写真の朝食にはなん種の魚が含まれているでしょうか?(2020/10/26)

おっす、おいらリマキナ!
水中をパタパタと泳ぐキュートな生き物だぜ!
でも最近、海洋酸性化の影響で殻がぼろぼろになっちまって困ったもんだ…
おっと、クリオネの野郎が近くにいるようだからここらでとんずらするぜ、あばよ!(2020/10/18)

北極海に名残惜しさを残しつつも、ムチュラン・ムチュリーご夫妻とともに日本に向けて出発!が、しかし・・・。前方には大きな低気圧が!!果たして、無事に帰れるのだろうか・・・。(2020/10/22)

北極海を観測しながら南下し、ベーリング海峡にたどり着きました。ここが北極海最後の観測点。それを聞いたムチュラン・ムチュリーご夫妻は船内で仲良くなった友達と応援に駆けつけてくれました。(2020/10/21)

今航の観測も残すところラスト半日…、空には見事なオーロラが!!!私たちの頑張りをお天道様は見ていてくれたようです。最高のご褒美をいただきました!(2020/10/20)

連日続いていた氷点下の日々でしたが、温度計は久しぶりに0度を超え船内には夏が舞い戻ってきました。みらいは北極海を南下し始め常夏のチュクチ海南部へ。猛暑の中、船内は観測ラストスパート!残暑お見舞い申し上げます。(2020/10/19)

今航では早朝や深夜に観測を行うことが多いプランクトンネット。寝たり起きたりの繰り返しで疲労もたまりそうな中、海に向かうネット班の勇姿を捉えました。かっこいい!
こうしてネットを引いた後はラボに戻ってソーティング作業、そしてまたネットへ… 数少ないデータ取得の機会なので、観測作業はとどまることがありません。(2020/10/18)

Turb MAPと呼ばれる乱流計の投入風景です。流速や水温から鉛直的にどのくらい海水が混ざっているかを調べるための観測機器です。とても繊細な観測機器なので、船の振動などの影響を少なくするために海中を自由落下させて観測を行います。(2020/10/18)

船の中には普段あまり目にすることのない言葉がたくさんあります。船内をよく観察してみると、あるあるミスを発見!“せんそく”と聞いて、まず思い浮かぶのは船の速度を表す「船速」ですが、観測機器を海中に沈める際のワイヤーの繰り出し速度も“せんそく(線速)”と言います。観測中は乗組員の方が観測担当者のオペレーションに合わせて「線速」や「船速」を調節してくれます。(2020/10/17)

水深115mの海底に設置した観測装置をフックのついたチェーンで引き上げようとしました。海底を這ったフックは折れ曲がり、海底が岩でデコボコだったことが推測されます。海底まで覗ける望遠鏡があったらいいのになあ。(2020/10/14)

「みらい」は氷縁域に突入。パンケーキアイスでいっぱいです。この海氷の下では海が渦を巻いていることが流速計の結果から分かりました。海水中にいろんな測器を投入し、より詳しい調査を行います。(2020/10/12)

北極海にもマイクロプラスチックが運ばれてきているようです。ムチュラン博士と専門家の研究員が教えてくれました。その調査のためにネットを海中に投入し、しばらくの間船で曳きました。ネットを海から引き上げたところで、記念撮影。(2020/09/22)

先日の氷縁観測の際にとらえた氷縁域航行中のみらいの様子です。一面の氷をかき分けて進む姿は、これぞ“みらい”!といった感じですね。視聴者の皆様に少しでも北極の空気を感じていただけますように!(2020/10/16)

アラスカPt.Barrow沖に設置された係留系の回収のため、掃海作業を行いました。船のワイヤーに取り付けた掃海具を海中に沈め着底させた状態で、目標となる係留系が存在する周辺の海域を航行して係留系を絡めとります。(2020/10/14)

北緯75度付近にて氷縁域での観測を行いました。氷がない海域から海氷の方へと船を進めるとパンケーキアイスと呼ばれる平たい氷が一面に広がる様子が確認できます。パンケーキアイスは解放水面と多年氷との間の Marginal Ice Zone(MIZ)で見られます。みらいでは、このMIZで海氷ブイの投入や乱流観測を行いました。(2020/10/12)

昨日は荒天により多くの観測が中止になってしまいました。今後の観測が順調に行えるように、船内にはてるてる坊主と坊主が登場しました。そのおかげで今日は晴天でした!(2020/10/11)

本日は、JAMSTECで以前より定点観測を行っている、カナダ海盆のNAPという観測点にて観測をしました。カナダ海盆の表層には冷たく塩分の低い海水が存在し、表層水温は氷点下に突入しました。海水は塩分が含まれているため、0度を下回っても凍りません。朝早くから観測を開始し丸1日かけて観測を行いました。(2020/10/07)

海水中の沈降粒子は海洋表層からの便りです。気候変動や生態系に関わる情報を運んできてくれます。巨大な三角形の装置を海水中に設置し、沈降粒子を集めます。本航海の特別海洋調査員であるムチュラン・ムチュリーご夫妻が教えてくれました。(2020/10/10)

土の中や海の水に含まれているDNAを環境DNAと呼びます。環境DNAを調べることで、そこにどんな生き物がどのくらいいるのか(またはいたのか)を推定できます。この航海では、北極海の生態系がどのように変動するのか?を明らかにするため、広範囲にわたり環境DNAを採集しています。(2020/10/10)

ハイテク装置で海洋観測が行われる中、波立つ海洋表面の海水を採取するのは簡単ではなく、バケツによる採水に勝るものはありません。屈強な男性乗船者の腕の見せ所です。何回もかっこよくバケツを海面から引っ張り上げます。(2020/10/08)

強風ですべての観測が中止となった翌日、昨日の荒天がウソだったみたいに晴れ渡り、絶好の観測日和となりました。太陽がまぶしかったです。(2020/10/08)

北極海観測も始まり、秋の植物プランクトンのぷち花盛り「ブルーム」に遭遇!
顕微鏡で見る珪藻類。フレッシュな試料を使った顕微鏡観察も船上ならでは。
植物プランクトンは海の生態系を支えます。
どんな生き物にとっての実りの秋となるのかな?(2020/10/08)

テレビモニターに映し出された赤い文字。風速19.4メートル毎秒。強風で観測中止になりました。この観測点は研究者からの観測リクエストが多かっただけに、残念です。気を取り直して、次の観測点へ。天候が回復することを祈ります。(2020/10/07)

北極海の玄関口、ベーリング海峡に到達しました。いよいよ北極海観測のスタートです。まずは、ベーリング海峡の水温・塩分や流速を計測する大型の測器を海中に投入します。今年のベーリング海峡は例年より暖かいかも知れません。(2020/10/06)

みらいは現在、北極海に向けて北太平洋を航行中です。夕飯後、空を見上げると大きな虹が!私たちの航海を応援してくれているようです。(2020/10/03)

北極を目指すみらいは日付変更線を超え、二度目の10/3、yesterday once moreしました。日付変更角とも呼ばれるこの海域のDate Lineは、朝日に照らされ暁色でした。(2020/10/03)

北極海に向かう途中の北太平洋での観測が一段落したので、乗船研究者によるサイエンスセミナーを行うことにしました。いろんな分野の研究者が乗船しているので、普段聞けない話題に触れることができます。私は北極海の海氷減少に伴う海洋環境・生態系の変化について話しました。(2020/10/02)

冷たい雨が降る中、今日はブイの投入テストです。波の高さや周期などの、データを得られます。北極では氷が減っている影響で、海水面が広がってきています。そのため、今まで氷がフタをして静かだった海面に、波が立ち始めているのです。波が立つことで、氷の形成にどんな影響があるのか、詳細に調べます。北極での観測にご期待ください!(2020/10/02)

マイクロプラスチックのネット観測をしたところ、不思議なプランクトンが捕まりました。刺激を与えると青白く光ります。敵から逃れるために一瞬のフラッシュで残像を残すのだとか!(2020/10/01)

今日は北極域に向かう航行中、北太平洋での観測です。プランクトンネットをひいて採れたのは、小さくてかわいい、クリオネ!元気に泳ぎ回っています。船上で飼って、一緒に北極に向かうことになりました!(2020/10/01)

本日、北極での観測に向けて、採水練習を行いました。
これで北極での採水作業も準備万端!!(2020/09/29)

北極海へ向かう途中、八戸沖を通過しました。八戸はムチュラン・ムチュリーご夫妻の思い出の地。ご夫妻は新婚旅行でむつ市の JAMSTECむつ研究所から「みらい」に乗船し八戸で下船されたと聞きました。思い出の地をドローンで空撮です。(2020/09/28)

台風接近中、雨にも負けず風にも負けず、真夜中にプランクトンネットによるサンプリングを行いました。この後、風が強くなり、波も高くなり、船は大きく揺れ始めました。真夜中の甲板は立ち入り禁止となりました。(2020/09/24)

ニューストンネットを使ったマイクロプラスチックの観測のさなか、珍客中の珍客から「北極航海頑張ってね!」とエールを頂きました。
これは北極航海、誰がなんと言おうと北極航海。(2020/09/23)

北太平洋の青く澄んだ海にネットが投入されました。マイクロプラスチックを採取するためです。こんなきれいな海にもマイクロプラスチックが漂っています。それは北極海でも例外ではありません。この調査には特別海洋調査員のムチュランが協力してくれました。(2020/09/22)

みらいは一度南下してから北極海を目指します。
亜熱帯の青い海は北部北極海と似ている海。貧栄養の海。
貧栄養でも適応し、生き抜く生物たちにはどんな共通点があるのでしょう?
その謎にも迫ります!(2020/09/20)

みらいの船員さんはすごい。
最高の環境で観測できるように一緒に考え、そしてその場で作ってくれちゃう。
今日はかけ流し培養水槽を設置してくれた。
表面海水をポンプで吸い上げかけ流し、現場と同じ温度で微小生物を培養する水槽装置だ。
でも揺れる船上では水がばしゃばしゃ溢れる。
北極では、かけ流し海水が甲板上に流れ出ると凍って危険だ、船での転倒は命に関わる。
船員さんは角材・ビニールシートをトンテンカンコン。
あっという間にスーパーアンウェッタブルインキュベーションシステム(商標登録検討中)の出来上がり。
研究者は手を加える余地もない。
作業を見てるだけ、見てるだけったら見てるだけ。
彼らあってのサイエンス。
みらいの船員さんはすごい。超すごい。(2020/09/20)

測器の準備が整い、いよいよ最初の海洋観測です。海水中の水温・塩分・流速などを計測するとともに海水を採取し、化学成分などを船内の分析室で測定します。まずは北太平洋で北極海との比較観測を行います。(2020/09/22)

晴れ渡る太平洋上で、来るべく北極海氷縁でのドローンによる海氷の空撮に備えて、試験飛行を行いました。まだまだおっかなびっくりの飛行でしたが、試験を積み重ね本番の飛行に備えます。(2020/09/21)

船内には神棚があります。航海の安全を守る神である金毘羅様が祭られています。いつもは航海の始めに乗船者全員でお参りするのですが、今年はコロナの影響で密を避けるため、個別に参拝しました。(2020/09/21)

いよいよ観測が始まりました。今航海、最初のミッションである波浪ブイの試験投入と動作確認を行いました。北極海からデータを届けてくれるのが楽しみです。(2020/09/21)

出港後すぐに、避難訓練が行われました。乗船者全員がデッキに避難しました。その中には、ムチュラン・ムチュリーご夫妻の姿も。ご夫妻は特別海洋調査員として、「みらい」の母港のあるむつ市の市長から辞令を交付され乗船しています。(2020/09/19)

多くの方々のご支援賜り「みらい」はいよいよ北極海に向けて出発しました。
皆さん表情明るく清水の絶景に別れを告げました。
これから45日、どんな新しいサイエンスに出会えるでしょうか?
魅力的な発見目指し、行ってまいります!(2020/09/19)

出航前夜、乗船研究者は全員「みらい」に集いました。
研究チームは顔合わせミーティングを行い、調査内容の確認と直近スケージュールを打ち合わせました。
晩餐後も遅くまで機器の整備・ラボの設置など入念な準備に勤しむ方も。
いよいよ明日、出航です!(2020/09/18)

本日は北極航海の機材積込作業が行われました。
あの膨大な機材は世界屈指の大型観測船にどうやって積まれるのか。
参加する各機関からも機材が集まり「みらい」着岸岸壁は大混乱…と思いきや?
作業員の美技&完璧な段取りであっという間に積み込まれていきます!(2020/09/17)

今日は各地から研究機材が清水停泊中の「みらい」へ発送されました。乗船者はひと足先に清水に入り、機材の到着を待ちます。清水滞在中のホテルの窓から、遠くに「みらい」が見えました。間もなく航海スタートです。(2020/09/16)

北極航海で使う観測機材を横須賀から送り出しました。みらいでは、様々な観測を行うため、荷物は10トンのトラック3台分にもなります。トラックは、みらいが待つ清水港を目指して、観測機材を運んでいます。(2020/09/16)

観測機材の準備はこれで完璧!と言い聞かせ、乗船者は一足先に出航地清水へ出発しました。JAMSTECから発送する機材は10tトラック3台分!
出航後は機材たちの現場での活躍も紹介していきます。
perfectに(?)パッキングされた機材たちは来るハードワークに備えてつかの間の休息です。
おやすみなさい!(2020/09/14)

北極海同時広域観測
Synoptic Arctic Survey(SAS)計画とは

SASはこれまで北極海では行われてこなかった複数船舶による同時かつ広域の高精度観測を実施する計画であり、海洋地球研究船「みらい」は太平洋側北極海の観測を担当します。SASの実施結果は北極海広域での環境・気候変化をとらえるための、さらに将来の環境・気候を予測するための基礎データとなることが期待されています。