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国際シンポジウム「永久凍土:気候変動と資源開発は北極域の生活をどう変えているのか」開催報告

報告者:田畑 伸一郎(北海道大学)
関連課題:社会文化課題海外交流研究力強化プログラム「地域社会・開発・文化からみた北極と東アジア連鎖」

2022年12月14日(水)~16日(金)に北海道大学スラブ・ユーラシア研究センターにおいて、恒例の冬期国際シンポジウムが開催されました。今年のテーマは、「永久凍土:気候変動と資源開発は北極域の生活をどう変えているのか」でした。今回の国際シンポジウムは、スラブ・ユーラシア研究センターの生存戦略研究プロジェクトに加えて、ArCS IIの社会文化課題「温暖化する北極域から見るエネルギー資源と食に関わる人間の安全保障」、海外交流研究力強化プログラム「地域社会・開発・文化からみた北極と東アジア連鎖」、および東北大学東北アジア研究センターが主催しました。

会場の様子
パネルディスカッションの様子

国際シンポジウムは3年ぶりに対面のみで開催され、外国からは、フィンランド、米国、ロシアなどから計11名が参加しました。国内からの参加者を含めると、58名の参加者となりました。レセプションやエクスカーション(ウポポイ)も予定どおり行われ、新型コロナ禍前の国際シンポジウムに近い形での開催となりました。

ArCS IIでは学際的な研究が行われていることから、普段のスラブ・ユーラシア研究センターの国際シンポジウムとは異なり、自然科学の研究者も多数参加しました。各セッションでは、永久凍土の変化、その上で営まれる先住民(サハ人を含む)の生業その他の経済活動、先住民の文化やアイデンティティ、その持続的発展の可能性などについて議論がなされました。全部で19の報告のうち、10の報告はロシアのサハ共和国に関わる報告となりましたが、これは、これまでArCS IIの社会文化課題で行ってきた北極域研究の多くが同共和国での現地調査に基づいていることを示すものでした。2~3年間、直接会って話をすることができなかったこともあり、対面での議論には大変力が入りました。外国の研究者との間では、今後の研究協力の拡大についての話し合いもなされ、得るところの大きいシンポジウムとなりました。