アラスカ内陸部森林センサス観測チーム

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地べたリアンの調査(2015.9.24)

チームメンバー:松浦陽次郎

つかの間の晴れ間、初秋のカリブポーカークリーク

春先から乾燥が続いて、初夏には大規模な森林火災が発生しましたが、夏の後半は雨が多くなり、我々が着いた9月中旬頃は曇天で肌寒い日々でした。日中の最高気温は2℃、調査地に至るまでに歩く湿地の水たまりには氷が張り、常緑針葉樹のトウヒ以外は、ほぼ葉を落としていました。白い幹はカンバ、黄緑がかった灰色の幹はポプラ、と遠目にも判ります。氷点下の気温に曝されたブルーベリーはシャーベット状態になり、甘味が増しています。

永久凍土の深さと森林の現存量蓄積の関係を調査したり、細い根(細根)の試料を採取したり、現場の作業は多岐にわたります。また、宿舎に戻ってからも、細根の分別や重量測定のための細かい作業が続きます。滞在中は夜も曇天続きで、オーロラを観る機会もなく、夜の内業に専念できました。

シャーベット状に凍ったブルーベリー

細根を洗いながら・・・

太さと長さ別に分けて・・・

林床の蘚類の層をはぎ取り、根をむき出しにした状態

ぶ厚く堆積する蘚苔地衣類(刺したナイフより上の30cm)とその下の土壌(夏に融解する凍土の部分=活動層)