大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立極地研究所

国立極地研究所ホーム>第59次南極地域観測隊員候補者の公募について

第59次日本南極地域観測隊員候補者の公募について

観測部門(モニタリング観測)の各担当隊員

2016年10月28日

概要

南極地域は、その地理的特性と地球環境モニタリングの面から、科学研究や観測上欠かすことのできない重要な地域です。我が国は、昭和30年11月の閣議決定に基づいて、南極地域観測統合推進本部(事務局:文部科学省、以下「南極本部」という)の下で、国際地球観測年(第3回極年)を契機に昭和31年度から国家事業として南極地域に観測隊を派遣して観測活動を継続的に実施し、平成29年1月には、昭和基地開設60周年を迎えます。その観測史上においては、オゾンホールや大量の隕石の発見、オーロラ発生機構や大陸氷床コアによる過去72万年の気候変動の解明及び南極生態系の解明など、多くの科学的な成果をあげてきており、平成28年度(第58次)からは、南極地域観測第Ⅸ期計画に基づいた観測計画を実施しています。

大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立極地研究所(以下、「国立極地研究所」という)では、南極地域観測事業の実施中核機関として、平成16年度に法人となる以前から観測隊員候補者の選考について、主に関係機関や大学・研究機関などからの推薦に基づいて実施してきました。

この度、第59次南極地域観測隊の編成に当たり、国立極地研究所が担当する観測部門のうち以下に示す特定の分野について、広く観測隊員(国立極地研究所の期限付き職員として雇用)を公募することといたしました。

募集要項(各資料については、青字の資料番号をクリックしてください)

重要:募集にあたって
平成29年度予算が成立していないため、その後の計画変更等により公募内容が変更されることもあります。その場合、分野によっては公募開始後であっても募集が中止となる可能性があります。
また、昭和基地周辺の海氷状況は毎年変化しており、南極観測船「しらせ」の砕氷航行をはじめ物資輸送など観測隊の計画遂行に影響を及ぼしています。特に物資輸送は最重要事項であり、輸送の状況によって観測・設営計画が縮小・中止となる可能性があり、担当隊員の業務に直接的な影響を及ぼします。応募の際は、このような事情から業務内容が当初計画から変更される可能性があること、昭和基地への派遣期間が変更となる可能性を含んでいることを御承知置き下さい。

1. 募集する隊員の担当分野と人数

(1)南極観測におけるモニタリング観測の詳しい内容については(資料1)をご覧ください。今回の募集は、その中の「宙空圏変動のモニタリング」(越冬隊)、「気水圏変動のモニタリング」(越冬隊)、「地圏変動のモニタリング」(越冬隊)を担当する隊員です。募集人数については(資料2)をご覧ください。

2. 募集期間

平成28年10月31日(月)~ 平成28年12月5日(月)

3. 観測隊員となるために必要な要件及び留意事項

(1)南極は極寒、強風、極夜の存在など、自然環境の過酷な場所です。また、南極での行動中は文明圏と隔離された少人数からなる閉鎖社会となり、国内とはかなり異なった条件下で業務に就くことになります。職務に必要な専門的知識・経験を有することはもとより、心身ともに健康で協調性があり、歴史ある国家事業に従事する観測隊員としての自覚と責任を持てることが条件となります。

詳しくは、
 ①南極地域観測隊員として観測事業に携わることについての説明(資料A
 ②南極における医療の現状と限界についての説明(資料B
 ③南極における医療の現状と限界についての承諾(資料C
 をご確認ください。

なお、(資料B)及び(資料C)については、本公募で選考され、正式に隊員となった後、改めて隊員全員に説明を致します。その後、承諾書(資料D)を提出して頂きます。

(2)国立極地研究所において「観測隊員となる職員(期限付き)」として雇用します。期限付き雇用契約であることを承諾できる方とします(雇用期間は、6.項(3)をご覧ください。)

(3)観測隊員として必要な身体検査受診、訓練参加、雇用関連をはじめとした一連の事務手続きを滞りなく行えること。

(4)健康判定に合格すること(6.項(2))

4. 隊員候補者選考方法

選考は、下記により実施します。

実施内容 選考基準 実施場所

国立極地研究所南極観測委員会のもとに置く隊員候補者選考分科会が書類選考及び必要に応じ面接選考を行います。面接を必要とする場合は、別途通知します。

観測隊員に求められる資質(資料E)を満たすことが必要条件です。

国立極地研究所
(面接も同じ)

※適任者不在の場合は、採用を保留とする場合があります。

5. 選考結果の通知等

(1)採否にかかわらず選考結果は、平成29年2月上旬までに国立極地研究所南極観測センターから郵送で応募者に通知する予定です(応募状況により、通知の日程は前後します。)

(2)選考の結果、適格と判断された者については、観測隊参加の意思を確認した上で「隊員候補者」として雇用含め諸手続きを開始します。

(3)面接のための旅費は、自己負担になります。
ただし、公募以降の観測隊参加に係る身体検査・訓練等の経費(検査費用及び交通費・宿泊費等)は国立極地研究所が負担します。

6. 公募選考から隊員決定、雇用までのプロセスと期限付き雇用契約の条件

(1)公募選考から隊員決定、雇用までの主なプロセス

平成28年10月31日:
12月5日:
平成29年1月:
1月~2月頃:
2月上旬:
 
2月以降:
2月下旬~3月初旬:

6月初旬:
 
6月中旬:
 
6月下旬:

7月1日:

公募開始
公募締め切り
書類選考(一次選考)結果通知発送
面接 ※実施が早まる可能性もあります
面接選考(二次選考)結果通知発送(面接選考を実施した場合)
「隊員候補者」として手続き開始
身体検査受診
冬期総合訓練(5日間程度:隊員候補者は原則として参加)
雇用契約のための事前説明①
健康判定(身体検査結果に基づく判定)
南極地域観測統合推進本部への推薦(判定合格者のみ)
南極地域観測統合推進本部総会
隊員として正式決定
夏期総合訓練(5日間程度:隊員は原則として参加)
雇用契約のための事前説明会②
「観測隊員となる職員」として雇用開始
雇用のための書類提出などの諸手続きは、4月~6月の期間で順次行います。

(2)健康判定と隊員決定

本公募で選考された段階では隊員「候補者」であり、隊員としての正式決定に向けて下記の身体検査を受診して頂きます。全ての隊員候補者が健康判定を受け、判定に合格した者だけを国立極地研究所から正式な隊員候補者として南極地域観測統合推進本部(事務局:文部科学省)に推薦します。

その後、南極地域観測統合推進本部総会での承認を以て観測隊員として正式決定します。

本公募のプロセスにおいては書類選考(一次)、面接選考(二次)に続いて、健康判定が隊員となる実質の最終選考(三次)となります。

健康判定で不合格となった場合、観測隊への参加が不可能なため、極地研究所における雇用は即取り消しとなります。

実施内容 判定基準 実施場所

国立極地研究所が指定する病院で身体検査(資料F)を受診します。原則として他の病院での受診データによる判定は行いません。特別な検査項目を含むため、3日間程度かかることを承知しておいてください。
(日程については別途ご相談します)

複数の医師を中心とした、極地観測隊員健康判定委員会が健康判定を行います。出張期間中、極地での活動に支障のない健康状態であることが判定基準となりますが、出張期間の長い越冬隊員はより厳しく判定されます。

国立極地研究所が指定する病院

(3)雇用期間、給与・手当

1)国立極地研究所における期限付き職員(観測隊員となる職員)としての雇用期間(予定
 ・越冬隊:平成29年7月1日 ~ 平成31年3月末日

2)給与は、規定に基づき国立極地研究所から、年俸を月割りにして、月給として支給されます。
ボーナスに相当する部分は、月給に含まれています。
給与額は、雇用のための書類提出を経た後、年齢・経験等をふまえ個別に算出して雇用開始前に連絡します(一次選考を通過した時点で、目安となる額を示します)。

3)基本給のほかに、通勤手当(2km以上の距離を交通機関等を利用して通勤した場合に支給)、時間外手当(所定の勤務時間を超えて勤務を命じられた場合)、極地観測手当(南緯55度以南=南極域での勤務期間が該当)が支給されます。

4)雇用開始までの間には、雇用契約の事前説明を行います。

(4)観測隊員として南極に出張し、国内に不在となる期間(予定

1)第59次隊に関する日程の概要は、(資料G)のとおりです。
・越冬隊:平成29年11月下旬~平成31年3月中旬~下旬(約1年4か月間)

※冒頭の<重要:募集にあたって>に関連して、計画の変更に伴う派遣期間の変更が発生した場合、雇用期間については別途相談させて頂きます。

7.応募方法

(1)応募用紙(資料3)(様式をダウンロードして下さいPDFWord)に必要事項を記入して、「推薦状」とともに下記に郵送して下さい。(「南極地域観測隊員候補者応募書類在中」と朱書きのこと。朱書きのない場合、応募意思が確認できず、受理できません。)

(2)応募用紙の記入は、PC入力可能ですが、氏名欄は自筆で記入し、必ず押印してください。押印の無いものは無効です。

(3)応募に当たっては、応募用紙に次による書類を必ず添付してください。選考の際の参考とします。

2通以上の推薦状】
推薦状は、以下の要領で作成してください。
・ 少なくとも1通は、現在の職場の代表者、所属長もしくは上司が作成したものが望ましい
(現在本人が代表の場合は、旧所属の代表者、上司など)。
・ 推薦状は、親族関係にある者以外が作成すること。
・ A4サイズ、1枚以内とし、書ききれない場合は裏面を利用すること。
・ 応募者の氏名及び推薦状作成者の住所、氏名、電話番号(あればメールアドレス)、作成年月日が明記されていること。場合によっては推薦者に連絡することがあります。
・ 推薦状作成者と応募者との関係が明確に記載されていること。
・ 推薦理由には協調性や適応能力などの資質、本公募に当たって必要とされている専門技術・能力のレベルについて分かりやすく記載されていることが望ましい。
・ 推薦状は必ず推薦状作成者本人が署名し、封印したものに限る。
過去観測隊に参加経験のある方が応募される場合、参加隊次の隊長・副隊長には推薦状を依頼しないで下さい。
・推薦状の数量は選考に影響致しません。然るべきものが2通あれば応募資格を満たしますので、大量の手配・同封はしないようにしてください。

【健康状況の分かる書類】
下記の書類を準備してください
①所属先等での直近の健康診断結果(写可)
 無い場合は11.の問い合わせ先までご連絡ください。
②現在かかっている病気等がある場合はその診断書(写可)
③南極地域観測隊員候補者健康調書(資料4)(様式をダウンロードしてください)

(4)応募書類は必ず郵送とし、他の方法での応募はお断りします。

<締め切り> 平成28年12月5日(月)(締め切り日を過ぎて到着した場合、開封せずに返送します)

※万一、応募書類に虚偽や事実と異なる記載があった場合、雇用を取り消すことがあります。
※郵便事故等による未着についての責任は負いませんので、心配な方は書留にしてください。
※応募書類に不足があった場合、選考の対象とはなりませんのでご注意下さい。
 <応募書類:応募用紙、推薦状、健康状況の分かる書類>

8. 個人情報保護

本公募に関連して提出された個人情報については、選考の目的に限って利用し、選考終了後は、隊員として採用された方の情報を除き、全ての個人情報は責任を持って廃棄します。

9. 公募以外の分野について

今回の公募とは別に、現在所属する会社、大学、研究機関等の身分のままで、国立極地研究所が南極本部に隊員候補者として推薦する者を選考しています。

10. 参考文献について

南極観測隊の仕事内容については以下の本が出版されています。

書名:南極観測隊のしごと 観測隊員の選考から暮らしまで
著者:国立極地研究所南極観測センター編
出版社:(株)成山堂書店
ISBN:978-4-425-57071-3

11. 問い合わせ・応募書類郵送先

〒190-8518 東京都立川市緑町10-3
大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 
国立極地研究所南極観測センター企画調整チーム  
(TEL:042-512-0780  E-mail:ant-pact@nipr.ac.jp

ページの先頭へ