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南極地域大型大気レーダー(PANSY)チームが「第8回海洋立国推進功労者表彰」(内閣総理大臣賞)を受賞

2015年7月22日

国立極地研究所の南極昭和基地大型大気(PANSY)レーダーチームは、第8回海洋立国推進功労者表彰(内閣総理大臣賞)を受賞しました。表彰式は7月16日に総理官邸大ホールで開催されました。

受賞分野:海洋に関する顕著な功績 分野 海洋に関する科学技術振興 部門
団体名称:南極昭和基地大型大気レーダーチーム
(佐藤薫 東京大学教授/極地研客員教授、佐藤亨 京都大学教授、堤雅基 極地研准教授、西村耕司 極地研特任准教授)
所属:情報・システム研究機構国立極地研究所
功績事項:
【世界初の南極地域大型大気レーダーの開発】
気候モデルの精度向上の鍵となる南大洋上空の風の大気観測を高精度・高分解能で実現する世界初の南極地域大型大気レーダーを開発した。高効率電力増幅器、軽量高耐久アンテナ、適応的信号処理、多チャンネルディジタル受信機などの技術の開発は、海洋関連や他分野への応用が可能であり、種々のセンサーのアレイ化の先駆的取組みとなる。

南極昭和基地大型大気レーダー(PANSYレーダー; Program of the Antarctic Syowa MST/IS Radar)について

PANSYレーダーのアンテナ群(手前)。
奥は南極観測船「しらせ」。

南極・昭和基地に建設された、1045本のアンテナで構成される南極最大の大気レーダー。上空に向けて強力な電波を発射し、大気中で散乱され戻ってきたわずかな電波(反射エコー)を検出することで、大気の動き(風)や電子密度を観測する。2011年に建設され、それ以降はシステム調整を行いつつ、一部のアンテナを用いた観測を実施していたが、15年3月にすべてのアンテナを使った観測が開始された。PANSYレーダーによる高精度・高解像度データが蓄積されれば、オゾンホールや極中間圏雲などの極域特有の大気現象だけでなく、地球全体の気候・気象システムの解明に大きく寄与すると期待される。

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