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幻のコケ「ナンジャモンジャゴケ」が確認されました

2019年8月22日

神田 啓史(かんだひろし)国立極地研究所名誉教授と「ひがし大雪自然館(北海道上士幌町)」の乙幡康之学芸員の研究チームが、2017年7月トムラウシ山(北海道中央部)の山頂付近10箇所で生息を確認したコケが、環境省で絶滅危惧種に指定されている「ナンジャモンジャゴケ」であることが確認されました。

神田名誉教授のコメント

本種は日本(本州中部、北部、北海道)、ネパール、中国、ボルネオ、台湾、アラスカ、カナダ西部に分布する環太平洋分布をする奇妙なコケで、氷河期の残存植物とされ、かつ当初はその所属がコケなのか、シダなのか、藻なのか不明ということで、「ナンジャモンジャゴケ」と名前が付きました。長野県で世界で初めて新種として発見され、その後、新目、新科、新属として記載されたものです。私は今から48年前、日本では二番目(未発表)に採集していたのですが、その時に採集した標本をたどってみると大雪山トムラウシ山で再発見したという話です。北海道ではすでに絶滅したとされていたので、その発見は注目されています。

当研究内容は、2019年6月発行のコケの学会誌「蘚苔類研究(PDF)」に紹介されました。

ナンジャモンジャゴケ(ひがし大雪自然館 乙幡康之 学芸員 提供)

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