IPERCについて

国際極域・地球環境研究推進センター(International Polar and Earth Environmental Research Center、略称「IPERC」)は、国内外の大学・研究機関と連携して、過去・現在・未来の極域・地球環境変化に関する統合的・先進的な国際共同研究・共同利用を推進することをめざして、令和5年4月に新設されました。

近年、著しく顕在化している地球温暖化は、人類が直面する最も緊急性の高いグローバル課題であり、極端気象災害の頻発をはじめ、食糧難や健康リスクの増大など人類の持続的な生存と発展が脅かされつつあります。この課題解決には、最新の地上観測と衛星観測による地球環境の高精度実態把握、大規模地球観測データアーカイブを用いた統合データ解析による温暖化プロセスの解明、それらの知見を組み入れた将来予測の精緻化・高度化が不可欠です。また、令和8年度から運用開始予定の北極域研究船の建造が開始され、極域を中心とした統合的地球観測の推進と共同研究・共同利用体制の強化が強く求められています。

こうした課題に迅速に取り組むため、極域を含む地球温暖化研究の国際ハブとして、国際共同研究・共同利用に取り組んでいきます。

国際企画、研究企画

国内外の研究の動向に関する情報収集と分析に基づき、国立極地研究所としての国際戦略・協定・交流の立案と対応及び研究戦略・研究力強化の企画立案と対応を行っています。

極域科学分野の国際交流窓口へ

極域研究は国外が調査・観測の場になっているため、国際的な調整や協力が欠かせません。(1)国際研究交流の推進及び外国機関との学術協定に関すること、(2)国際条約、国際会議及びその他国際対応に関することを主な業務内容とし、関係諸機関や研究者と協力しながら、研究の活性化に資する積極的な国際交流を推進しています。また、南極条約で必要とされる日本の南極観測にかかわる報告資料のとりまとめ作業を行っているほか、南極研究科学委員会(SCAR)、南極観測実施責任者評議会(COMNAP)、国際北極科学委員会(IASC)、さらにはアジア極地科学フォーラム(AFoPS)にも対応しています。

継続した研究力強化の実施へ

大学共同利用機関である国立極地研究所においても全国の大学と同様、世界水準の研究の推進、すなわち研究力の強化が求められています。情報・システム研究機構は2013年度に文部科学省「研究大学強化促進事業」に採択され、10年間にわたってリサーチ・アドミニストレーター(URA:University Research Administrator)を含む研究マネジメント人材群の確保や研究環境改革の取組を進めてきました。国立極地研究所では、極域観測や国際共同研究などの強みを活かして研究者の研究活動を活性化しつつ次世代の若手を育成し、我が国の研究力の向上に資するよう、研究戦略、研究予算獲得、研究広報などを中心に教員や事務職員が一体となって業務にあたっています。