大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立極地研究所 南極観測のホームページ

昭和基地クリスマスイブに第一便

2014年12月25日

12月24日現地時間8時02分(日本時間14時02分)、南緯68度46.6分、東経38度45.8分(昭和基地北西約40km)の定着氷に停留中の「しらせ」より、野木義史第56次南極地域観測隊長ならびに日高孝次艦長が乗ったヘリコプターの第一便が第55次越冬隊(牛尾収輝越冬隊長ほか23名)の待つ昭和基地に到着した。昨シーズンに比べ、10日遅いクリスマスイブの第一便となった。

「しらせ」は、12月15日現地時間5時10分(日本時間11時10分)に南緯64度51分、東経43度15.3分(昭和基地北北東約490km)においてリュツォ・ホルム湾沖の流氷域に進入し、観測を実施しながら順調に航行し、12月17日現地時間1時24分(日本時間7時24分)には南緯68度21.9分、東経38度44.9分(昭和基地北北西約80km)のリュツォ・ホルム湾の定着氷縁に到達した。その後、砕氷しながら昭和基地に向け航行を続けたが、昨シーズンより広範囲の乱氷帯に加え積雪も多い海域で苦戦を強いられ進行が遅れた。12月22日頃から進出距離も延び始め、ようやくクリスマスイブに昭和基地北西約40kmに達し、昭和基地へ第一便を実施する運びとなった。

野木義史観測隊長や日高孝次艦長らを乗せた海上自衛隊のヘリコプターの第一便は、24日午前8時頃(現地時間)に「しらせ」を出発し、昭和基地ヘリポートに到着した。昭和基地ヘリポートでは、昨年から滞在する牛尾収輝第55次越冬隊長らが盛大に出迎えた。第一便には、家族からの手紙、ビデオや一年ぶりとなる野菜や卵もあり、待ちわびた「初荷」に隊員は顔をほころばせ、奇しくもクリスマスイブのプレゼントとなった。

第一便に続き、同日に優先物資の空輸を開始し、「しらせ」は昭和基地周辺の海氷の厚い海域に近づき、27日まで空輸を行う予定である。その後、砕氷航行を28日に再開し、氷の厚い海域に進入し、昭和基地への接岸を目指す。昨シーズンは、「しらせ」は無事接岸を果たしたが、今シーズンも海氷状況は大きく変わっておらず、昭和基地までさらに6m近くの厚い海氷を割って進む事となり、接岸できるどうか予断を許さない状況であり、これからが正念場となる。

昭和基地に到着し、出迎えた牛尾第55次越冬隊長(右)に「初荷」を手渡す野木第56次観測隊長(左)と日高「しらせ」艦長(中)

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