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南極観測船「しらせ」の昭和基地沖への接岸について

2015年1月13日

このたび、南極観測船「しらせ」が、1月12日(月)現地時間14時06分(日本時間20時06分)、昭和基地の沖合約500mの定着氷に到着し、昨年に続き昭和基地接岸を果たしましたので、お知らせします。

第56次南極地域観測隊(野木第56次南極地域観測隊長)を乗せた南極観測船「しらせ」(日髙艦長)は、日本時間1月12日(月)20時06分(現地時間1月12日(月)14時06分)、昭和基地の沖合約500mの定着氷に到着し、昭和基地接岸(基地に桟橋はないため沖合の定着氷接岸)を果たしました。

昭和基地のある南極リュツォ・ホルム湾は、ここ数年、海氷状況は厳しい傾向にあり厚さ約6mの海氷と2m余りもの積雪に覆われ、昨年は接岸を果たしたものの、その前の2シーズンは続けて接岸を断念していました。今シーズンも海氷は極めて厳しく、往路のラミング総数は計3187回で、南極行動において過去最多となる回数となるなか、海氷が厚く難所である多年氷帯を15日間かけて突破しました。

南極観測隊は、一年間の越冬観測を支える燃料や物資、食糧などを昭和基地に搬入することとしており、予定通りに輸送が完了すれば、2月中旬に第55次越冬隊と交代して第56次越冬隊が一年間の越冬観測を開始することになります。

※「昭和基地接岸」とは
昭和基地内の貯油タンクへ燃料をパイプライン輸送するためのホース展張ができる沖合(東オングル島沖合約1km以内の定着氷)に「しらせ」が到着すること。

※「ラミング」とは
勢いをつけて氷に乗り上げ、船体の重さで氷を砕いて進む砕氷行動のこと。

南極観測船「しらせ」の状況について

1.南極観測船「しらせ」は、平成26年11月11日(火)に晴海ふ頭から豪州・フリーマントルを経由し、南極昭和基地に向かって出港。

2.「しらせ」の行動計画の期間
平成26年11月11日(火)~平成27年4月10日(金)

3.南極観測船「しらせ」の輸送について
「しらせ」は、日本時間1月12日(月)20時06分(現地時間1月12日(月)14時06分)昭和基地の沖合約500mの定着氷に到着。
第56次南極地域観測隊行動実施計画(第145回南極地域観測統合推進本部総会(平成26年11月10日開催)に基づき、一年間の越冬観測を支える燃料を南極観測船「しらせ」からパイプラインによる輸送を行うほか、雪上車による氷上輸送やヘリコプターによる空輸で車両や物資・食糧を基地に搬入を実施。

接岸時のしらせ(国立極地研究所提供)

しらせの概要
建造年 2009 喫水 9.2m
長さ 138m 排水量 12,650t
28m 連続砕氷能力 1.5m×3ノット
過去の昭和基地接岸の状況
船名(隊次)
接岸/回数
宗谷(1-6) 0 / 6
ふじ(7-24) 6 / 18
前しらせ(25-49) 24 / 25
現しらせ(51-56) 4 / 6

※「しらせ」となってからは、第35次(平成5年)、第53次(平成23年度)、第 54次(平成24年度)に接岸断念。

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