大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立極地研究所 南極観測のホームページ

南極観測船「しらせ」の昭和基地沖への接岸について

2016年1月4日発表
2016年1月7日掲載

このたび、南極観測船「しらせ」が、1月4日(月)現地時間1時45分(日本時間7時45分)、昭和基地の沖合約500mの定着氷に到着し、3年連続の昭和基地接岸を果たしましたので、お知らせします。

第57次南極地域観測隊(門倉第57次南極地域観測隊長)を乗せた南極観測船「しらせ」(大鋸艦長)は、現地時間1月4日(月)1時45分(日本時間1月4日(月)7時45分)、昭和基地の沖合約500mの定着氷に到着し、昭和基地接岸(基地に桟橋はないため沖合の定着氷接岸)を果たしました。

昭和基地のある南極リュツォ・ホルム湾は、近年厳しい海氷状況にある中、昨年、一昨年と続けて接岸を果たしました。今シーズンは、往路ラミング回数931回、10日間で多年氷帯を突破し、現「しらせ」で初となる3年連続の昭和基地接岸となりました。

南極地域観測隊は、一年間の越冬観測を支える燃料や物資、食糧などを昭和基地に搬入することとしており、予定どおりに輸送が完了すれば、2月下旬に第56次越冬隊と交代して第57次越冬隊が一年間の越冬観測を開始することになります。

※「昭和基地接岸」とは
昭和基地内の貯油タンクへ燃料をパイプライン輸送するためのホース展張ができる沖合(東オングル島沖合約1km以内の定着氷)に「しらせ」が到着すること。

※「ラミング」とは
勢いをつけて氷に乗り上げ、船体の重さで氷を砕いて進む砕氷行動のこと。

南極観測船「しらせ」の状況について

1.南極観測船「しらせ」は、平成27年11月16日(月)に海上自衛隊横須賀基地から豪州・フリーマントルを経由し、南極昭和基地に向かって出港。

2.「しらせ」の行動計画の期間
平成27年11月16日(月)~平成28年4月14日(木)

3.南極観測船「しらせ」の輸送について
「しらせ」は、現地時間1月4日(月)1時45分(日本時間1月4日(月)7時45分)昭和基地の沖合約500mの定着氷に到着。
第57次南極地域観測隊行動実施計画(第147回南極地域観測統合推進本部総会(平成27年11月9日開催)に基づき、一年間の越冬観測を支える燃料を南極観測船「しらせ」からパイプラインによる輸送を行うほか、雪上車による氷上輸送やヘリコプターによる空輸で車両や物資・食糧を基地に搬入を実施。

接岸時のしらせ(観測隊同行 塩原真記者撮影)

しらせの概要
建造年 2009 喫水 9.2m
長さ 138m 排水量 12,650t
28m 連続砕氷能力 1.5m×3ノット
過去の昭和基地接岸の状況
船名(隊次)
接岸/回数
宗谷(1-6) 0 / 6
ふじ(7-24) 6 / 18
前しらせ(25-49) 24 / 25
現しらせ(51-57) 5 / 7

※前「しらせ」は、第35次(平成5年度)、現「しらせ」は、第53次(平成23年度)、第54次(平成24年度)に接岸断念。

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