3月4日、第49次観測隊員によるバーがオープンしました。バーの名前は「はいむるぶし」と決まりました。これは沖縄の言葉で「南十字星」を意味します。バーの初日は店長がたこ焼きを作り、「調理隊員の味にも負けないくらい美味しい!」と大好評でした。また、昭和基地で栽培したかいわれ大根も登場し、大人気であっという間になくなってしまいました。バーはこれから毎週火・木・土曜日に開かれる予定です。
昭和基地のバーは、ビール、焼酎、ワイン、カクテル等種類が豊富にあり、つまみも調理隊員やバーの店員が作ってくれるのでとても充実しています。お酒が好きで夜11時の閉店時間まで飲んでいる人、忙しくて10分だけ飲みに来る人、お酒は飲まずにお茶を飲んでいる人と、実に多様な姿が見られました。バーのオーナーである赤田隊員は「楽しく飲みましょう」と実に端的にバーの目標を掲げていますが、初日のバーはまさにその言葉がぴったりの時間となりました。
南極という特殊で過酷な環境の中で働いている隊員達にとっては、食べること、飲むことは数少ない大きな楽しみの1つとなっています。また、バーで1日の疲れを癒しながら隊員同士熱く語り合うことで日に日に人と人との結束が強くなり、それは29人しかいない昭和基地という閉鎖社会の大切な潤滑油となります。昭和基地にはバーはなくてはならないものなのです。越冬生活が終わった後に「仕事は大変だったけど楽しかった」と思えるようになるためにも、このバーの果たす役割はとても大きいのではないでしょうか。
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