大気中にはエアロゾルという固体や液体からなる微粒子があります。このエアロゾルは日射の散乱・吸収をしたり、雲ができるときの雲核となるため気象や気候変化と関係しています。このエアロゾルを観測することで、南極域だけでなく、地球規模での物質循環の過程を知ることができます。
対流圏から成層圏のエアロゾルを観測するためエアロゾルゾンデを飛揚しました。エアロゾルゾンデは気象隊員が毎日2回飛揚している気球よりも少し大きいものに、粒子を大きさ別でカウントする装置と気象観測用ゾンデを取り付け飛揚します。エアロゾルゾンデは気球が大きく、ヘリウムガスを充填する建物には入らないため、外で膨らまします。また、気球が地面などにぶつかって割れないように、風速が3m/s以下の条件で行わなければいけません。昭和基地は比較的風が強く、このような条件が整うことは珍しいですが、この日は風も穏やかで、高度約30 kmまで順調に観測をすることができました。
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