月の光によるオゾン層の観測
2018年4月5日
サンディレクタの写真。この装置を用いて光を測器内部に導く。
真夜中の昭和基地を明るく照らす月の光。昭和基地では、この月の光を利用してオゾン層の観測(地上から上空までのオゾンの総量の観測)を行っています。観測にはドブソン分光光度計という測器が使用されます。1982年、まさにこの場所でオゾンホールの発見につながった測器です。
この観測機器は、通常は太陽の光を利用して観測を行っていますが、満月に近い月であれば、月の光を利用することも可能です。今の時期はまだ太陽の光による観測が可能ですが、冬の時期には太陽が昇らなくなり、月の光だけが頼りになります。
4月5日は、天気も晴れ、月も満月に近かったため、月の光による観測を行いました。この時期は、同じ日に太陽の光による観測と月の光による比較観測もできる貴重な時期です。太陽や月の光は、サンディレクタと呼ばれる装置によってドブソン分光光度計の内部に取り込まれます。観測中は月の動きに合わせてサンディレクタを微調整する必要があり、また、当日は風も強く月の像がぶれるのを防ぐためにサンディレクタを手で押さえておく必要もあり、少し神経を使う観測でした。
天気 | 日の出 | 日の入 | 最高気温 | 最低気温 | 最大風速 |
晴時々曇 | 7:19 | 17:28 | -6.6℃ | -9.8℃ | 13.2m/s |