太陽と氷が作る芸術、幻日
2019年8月9日
幻日と太陽柱
基本観測棟の屋上デッキから
15時頃、空を観測していた気象隊員から無線がひとつ。「太陽の横に幻日が見えています。」
各所で作業をしていた隊員たちが手を休め、見晴らしがいい基本観測棟の屋上デッキに自然と集まってきます。そこには雲の隙間から見える赤く染まった太陽と、その両脇にハッキリと見える2つの小さな太陽、幻日。太陽の上下には光の柱、太陽柱(サンピラー)も一緒に出ていて見事な景色でした。
幻日は、空気中に水平に浮かぶ六角板状の氷晶に横から入った太陽の光が屈折して見える現象。太陽柱(サンピラー)も幻日と同じく板状の氷晶が必要で、こちらは氷晶の上下の面で太陽の光が反射して見える現象。どちらも国内でも見ることができる現象ですが、気温が低く細かな氷晶が浮かんでいることが多い昭和基地では国内より見るチャンスは多め。でも、もちろん太陽が出ていないと見ることはできません。
極夜が明けて、昼の時間が日々長くなっていく昭和基地。日本で暑さのピークを過ぎるころに昭和基地でも寒さのピークを過ぎ、昭和基地の中外で様々な活動が慌ただしくなってきます。
天気 | 日の出 | 日の入 | 最高気温 | 最低気温 | 最大風速 |
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