大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立極地研究所 南極観測のホームページ

「第14回南極設営シンポジウム」開催のご案内

昭和基地中心部

日本の南極観測は今年60周年を迎え、その重要性はますます増しています。
観測を支える設営部門の業務内容は多肢に渡り、新たな技術や知見に基づいた取り組みが求められています。
本シンポジウムでは、各界の様々な取り組みについて発表していただき、南極観測の設営分野での新たな可能性について考えて行きたいと思っています。
南極の設営に興味をお持ちの多数の方々のご参加をお待ちしています。

国立極地研究所 南極観測センター
設営業務担当マネージャー 樋口和生

開催要項

日時:
2017年6月27日(火)10:00〜17:00
会場:
国立極地研究所極地観測棟3F(東京都立川市緑町10-3 交通のご案内
(TEL 042-512-0779 / E-mail setsuei-sympo@nipr.ac.jp
主催:
国立極地研究所南極観測センター
内容:
10:00〜10:05 開会挨拶 白石和行(国立極地研究所所長)
10:05〜16:55 発表(詳細下記)
16:55〜17:00 閉会挨拶 野木義史(国立極地研究所副所長)

※事前のお申し込みは不要です。直接会場にお越しください。

参加者懇親会

シンポジウム終了後、同所にて参加者懇親会を予定していますので、ぜひご参加ください。
(時間:17:30〜19:00 / 参加費:1,000円)

講演プログラム

座長 演題
番号
演題 発表者(所属) 発表内容 時間
樋口和生 1 南極昭和基地の自然エネルギー棟における室内温度の実測と解析の比較 安部剛(株式会社 錢高組) 南極昭和基地の自然エネルギー棟で採用した省エネ環境技術を紹介すると共に、室内温熱解析を行い、室内温度の実測値との比較を行った。 10:05

10:25
2 スノードリフト対策として設置した三角形パネルの効果について 福田真人(株式会社ミサワホーム総合研究所) 57次越冬中、ブリザード後の除雪作業を軽減するために、基地主要部の中で特にスノードリフトの発生が著しい場所に、三角形パネルを設置しました。そのスノードリフト軽減効果について報告します。 10:25

10:45
3 ドームふじの大型望遠鏡架台設営に関する検討 太田義弘(株式会社 竹中工務店) 現在ドームふじ等の南極内陸部に天文観測用の大型望遠鏡の設置が検討されている。本発表では、大型望遠鏡を支持する架台の設営に関して支持地盤(雪面)や架台構造の設計の考え方を示すと共に、技術的な課題と対応案について報告する。 10:45

11:05
4 南極雪上車、輸送用トラクターの無人化技術 齋藤浩明(株式会社IHIエアロスペース) 昨年のシンポジウムにおいて、既存の雪上車やトラクターに装着する無人化キットを提案させて戴いた。今回は類似車両への適用事例を基に、装着型操舵機構と自動走行制御技術について紹介する。 11:05

11:25
5 雪面押込み変形特性を考慮した橇の牽引力に関する検討 香川博之(金沢大学) 簡単な数値モデルを作成し、橇滑走部が雪面へ押込まれることによって生じる変形抵抗に対する滑走部形状や雪面硬度の影響について検討した結果について報告する。 11:25

11:45
6 ポリプロピレン製装具の寒冷地での安全使用に必要な材料物性に関する基礎的研究 村原伸・見山克己・堀内寿晃・野坂利也(北海道科学大学)、清水繁(日本大学)、及川欧(旭川医科大学) 寒冷地を生活圏とする装具使用者の安全確保及び生活範囲拡大のために、主材料である高分子化合物(ポリプロピレン)の機械的性質を、低温曝露及び装具製作条件の観点から検討中である。研究計画の紹介及び予備実験の進捗状況を報告する。 11:45

12:05
休憩(12:05〜13:00)
藤野博行 7 南極における産業用ドローン活用の可能性について 鳥潟與明(東光鉄工株式会社) 農薬散布用ドローン技術を応用した南極での融雪作業の効率化について提案する。他に①特殊用途カメラ(マルチスペクトルカメラ、サーモグラフィカメラ、防水カメラ等)による多用途空撮及び防水型海中調査ドローンの説明、②固定翼型VTOL機による広範囲空撮・調査用ドローンの説明を行う。 13:00

13:20
  8 昭和基地の海氷監視におけるドローン利用の有効性について 樋口和生(国立極地研究所)、友松岳士(KDDI株式会社) 2016年4月、昭和基地周辺の海氷が流出したため、第57次越冬隊は、島外での行動を極夜明けまで見合わせた。海氷状況の監視には、衛星画像とともに、ドローンによる空撮が非常に有効であった。海氷監視におけるドローン利用の有効性について報告する。 13:20

13:40
  9 UAV撮影画像を用いた昭和基地の積雪深分布 荒川逸人(野外科学株式会社)、金高義(福島工業高等専門学校)、友松岳士(KDDI株式会社) JARE57越冬期間にUAVによって撮影された画像から3次元モデルを作成し、昭和基地主要部周辺の積雪深分布を推定した。管理棟の風上側や気象棟の風下側の、吹きだまりの状況など、大まかな傾向を掴むことはできた。今後、精度向上のためには、GCP(地上基準点)の充実と、実測との比較が必要である。 13:40

14:00
  10 昭和基地での風力/太陽光発電の有効利用に関する提案 遠田幸生(秋田県産業技術センター) 昭和基地内における風速は4月が高く、1〜2月が低い傾向にある。そのためこの風速を年間を通じて安定的に活用することを目的と、昭和基地内で、風力発電を利用し、水電解により製造した水素活用技術について提案する。 14:00

14:20
  11 高効率燃焼装置PCM及びSORYUを用いた、昭和基地での石油系燃料の省エネとクリーン化 八原百十希(株式会社ビー・テック) 弊社商品PCM及びSORYUは石油系燃料を使用するエンジン、ボイラー等に取り付けることで排気ガスをクリーン化し、また燃料消費量の削減が見込める商品です。発電機や雪上車等にご利用いただき南極、昭和基地での環境対策にお役に立てればと思っております。 14:20

14:40
  12 寒冷地における蓄電池の充電方法の提案 山﨑努(アクソンデータマシン株式会社) 寒冷地における蓄電池の充電方法の提案
寒冷地対応充電器の紹介
寒冷地対応蓄電池の紹介
14:40

15:00
休憩(15:00〜15:15)
千葉政範 13 無人エアロゾル観測システムの開発計画 原圭一郎(福岡大)、平沢尚彦(極地研)、飯塚義徳(北大低温研)、小林拓(山梨大)、本山秀明(極地研)、林政彦(福岡大)、小林正幸(CS特機) 南極大陸上で、エアロゾルサンプリング・観測を無人で行えるシステムの開発を行う観測に使用する電源部には、アルコール型燃料電池と風力発電を使用したハイブリットシステムを検討している。 15:15

15:35
14 IoTセンサーによる昭和基地遠隔監視 村田健史(情報通信研究機構)、岡田雅樹、水原隆道、山本和憲、Praphan Pavarangkoon、村永和哉 LPWA(Low Power、Wide Area)と呼ばれるIoT向けの新たな通信技術が注目を集めており、ZigBee、Lora WAN、Wi-SUNなど様々な低電力通信技術及び通信デバイスが公開されている。本研究ではLPWA技術を用いて遠隔地から居住棟設備監視や西オングル観測施設基盤システム監視を行う技術を提案する。 15:35

15:55
15 南極における緊急時メッセージ通信システムに関する研究 五十嵐喜良(京都大学)、梅野健(京都大学)、菊池雅行(国立極地研究所) 南極越冬観測における安全確保を図るため、イリジウム衛星通信システムを利用した双方向緊急メッセージ通信装置を用い、越冬隊員の緊急時や野外観測活動等のユースケースを想定した緊急時メッセージ通信実験を昭和基地周辺で行い、ユースケース毎に、緊急時メッセージ通信装置の信頼性・有効性を検証する南極における緊急時メッセージ通信システムに関する研究計画について発表する。 15:55

16:15
16 管理棟厨房IH化について 青堀力(第58次南極地域観測隊越冬隊) 火災や交換時の手間がつきまとうプロパンガスの使用を止め、IH化にした場合のメリット・デメリットについて発表する。
16:15

16:35
17 南極車両
負の遺産から歴史遺産へ
石沢賢二(国立極地研究所) 日本の南極観測では、大陸調査旅行用の雪上車や橇を独自に開発・使用してきた。しかし、故障で放棄し雪中埋没した物も多い。これらの回収と歴史遺産への転用を提案する。 16:35

16:55

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〒190-8518 東京都立川市緑町10-3