空から見た昭和基地
南極観測における設営活動をより安全かつ効率的、そして環境に配慮したものとするための技術や情報の発表、意見交換の場として「第15回南極設営シンポジウム」を開催致します。
本シンポジウムでは、各界の様々な取り組みについて発表していただき、南極観測の設営分野での新たな可能性について考えて行きたいと思っています。
南極の設営に興味をお持ちの多数の方々のご参加をお待ちしています。
国立極地研究所南極観測センター
設営業務担当マネージャー 樋口和生
※事前のお申し込みは不要です。直接会場にお越しください。
シンポジウム終了後、同所にて参加者懇親会を予定していますので、ぜひご参加ください。
(時間:17:45〜19:15 / 参加費:1,000円)
座長 | 演題 | 発表者(所属) | 発表内容 | 時間 | |
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樋口和生 | 1 | 昭和基地での自然エネルギー利用の現状について | 勝田豊、藤野博行(国立極地研究所) | 昭和基地において実用化された自然エネルギーの利用は、第38次隊から第43次隊で設置された太陽光発電装置が最初である。最近では第56、57次隊で2機の風力発電機が設置された。本発表では、これら自然エネルギー利用の紹介と現在の稼働状況を報告する。 | 13:05 〜 13:25 |
2 | 昭和基地の自然エネルギー棟に設置した空気式太陽熱集熱システムの検証報告 | 安部剛(株式会社錢高組) | 気象データと実測した温度結果を用いて、南極昭和基地の自然エネルギー棟で採用した空気式太陽熱集熱システムについて検証したので報告する。 | 13:25 〜 13:45 |
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3 | リチウム電池搭載ポータブル発電機 | 小泉孝(アクソンデータマシン株式会社) | リチウム電池を搭載した軽量、高出力ポータブル電源で設営作業や運営等で幅広く活用できる。 | 13:45 〜 14:05 |
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4 | 高空風力発電の極地での有効活用手法の研究 | 藤井裕矩(TMIT研究開発部) | 現在世界各国で盛んに研究開発されている高空風力発電手法の色々な手法を検討し、我国における「高空風力発電研究会」(代表者:藤井)を中心に、極地での有効な活用手法について要素技術の洗い出しを検討する。 | 14:05 〜 14:25 |
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休憩(14:25〜14:35) | |||||
藤野博行 | 5 | 内陸移動基地の提案 | 秋元茂(ミサワホーム株式会社) | 南極大陸内陸部における観測隊員の快適な生活環境を実現するための移動基地の提案。輸送を考慮した工業化技術、居住性を拡大する接続・連結技術、自然エネルギーを利用した省エネルギー技術などを持つ移動型ユニットの提案。 | 14:35 〜 14:55 |
6 | 内陸への物資輸送量増加に伴う輸送方法の提案 | 鈴木正人(株式会社大原鉄工所) | 現行機であるSM100Sのソリ輸送と比較して、燃料輸送量の増量を目的とした運搬システムについて提案する。 | 14:55 〜 15:15 |
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7 | PistenBullyによる昭和基地、内陸旅行の効果と実用性 | 伊藤太市(株式会社キムラ) | PistenBully使用による昭和基地のブリザード対策と効果、ドームふじ基地旅行での移動速度向上による観測に費やせる時間の増加などを発表。 | 15:15 〜 15:35 |
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8 | 内陸基地とスノードリフト─埋没から逃れるための工夫の変遷─ | 石沢賢二(前国立極地研究所極地工学グループ) | 南極の沿岸棚氷や内陸氷床にある基地では、スノードリフトによる建物・施設の埋没が最も深刻な設営上の問題である。各国はどのようにしてそれに対処してきたのか?過去の様々な工夫をレビューし、将来の内陸基地について展望する。 | 15:35 〜 15:55 |
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休憩(15:55〜16:05) | |||||
千葉政範 | 9 | S17航空拠点建物の現状報告 | 永木毅(国立極地研究所南極観測センター) | 昭和基地東方約20kmの大陸氷床上のS17航空拠点に建設した、鉄骨架台による高床構造の発電小屋と食堂小屋について、47次(2006年)建設時から58次(2017年)までの建物周辺の状況について報告する。 | 16:05 〜 16:25 |
10 | S17航空拠点建物の不同沈下に関する検討 | 太田義弘(竹中工務店技術研究所) | S17航空拠点建物で生じている不同沈下について、2006年の竣工以降の柱レベル計測結果と外観記録からその要因を推定する。また、解析により不同沈下の現象を再現し、不同沈下がS17航空拠点建物架台の構造性能に及ぼす影響について検証した結果を報告する。 | 16:25 〜 16:45 |
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11 | 南極における航空機利用の現状について | 橋田元(国立極地研究所南極観測センター) | クライストチャーチ(NZ)、ホバート(豪)、ケープタウン(南ア)、プンタアレナス(チリ)等のゲートウェー都市と、それぞれの南極大陸のハブ滑走路の間を、ほぼ定期的に大型機によるフライトを行い、ハブ滑走路と大陸内の各国の基地やフィールドキャンプとを中型機・小型機で結ぶ南極航空機ネットワークは定着し、シーズン毎に拡充しており、これらの航空網とその運用状況について紹介する。 | 16:45 〜 17:05 |
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12 | 南極観測隊活動の記録映像制作 | 中川西宏之(合同会社SAI) | 南極と聞いて何をイメージしますか?そもそも南極って?観測隊ってなんですか?南極料理人の映画は観たことあるけど本当は何を食べてるの?南極と夏隊の活動を広く正しく知って頂くために観測隊目線の記録映像を制作し発信する提案。 | 17:05 〜 17:25 |