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海鷹丸による東経110度線の海洋観測

東京海洋大学の海鷹丸に観測隊7名同行者9名が乗船し、東経110度線を南下して、基本観測(海洋物理・化学観測)、一般研究観測(プランクトン群生組成の変動と環境変動との関係に関する研究)、海洋生態系モニタリング観測などを行います。

  • 基本観測(海洋物理・科学観測)
  • 一般研究観測(プランクトン群集組成の変動と環境変動との関係に関する研究)
  • 海洋生態系モニタリング

海鷹丸の位置情報

位置情報は正午(現地時間)

2015年2月4日

南緯43度18.22分、東経147度29.85分

昨晩は節分ということで乗船中の年男・年女が集合し船内で豆撒きを執り行ないました。乗組員、学生、研究員を合わせ総勢30名での豆撒きでしたので、船内にいる鬼たちは一溜まりもなかったと思います。

現在、タスマニア島の南東沿岸を北上していますが、昨日から吹き続けていた南西の風は徐々に弱まってきて海上の波も島影に入ってからだいぶ小さくなりました。たまにイルカやアザラシが本船の近くに寄ってきて泳ぐ姿が見られますが、海鷹丸を歓迎しているのかもしれません。本日はこのまま北上を続けて14時過ぎにはホバート沖の錨地に到着、投錨の予定です。入港着岸は明日で、9時にパイロット乗船となっています。
今朝、時計を30分進め、ホバート時間に合わせました。ホバートでは夏時間を使用していて日本時間より2時間進んでいます。

2015年2月3日

南緯47度20.30分、東経142度42.90分

前線の接近で昨晩から風が強くなり、海上は時化ていますが、風、波共に追手のため、船体の動揺はそれ程ではありません。大型のアホウドリ(ワタリアホウドリ)が風に乗り悠々と飛びながら船尾について来ています。南大洋に別れを告げ、緯度は南緯50度を切り、タスマニアにだいぶ近づいてきました。本日の夕方にオーストラリアのEEZ(排他的経済水域)に入る見込みで、明日の午後にはタスマニアのホバート沖に到着、錨泊をする予定です。
今朝も時計を30分進め、現在、船内時は日本時間+1時間30分です。明日の朝、時計を30分進めホバート時間に合わせます。

2015年2月2日

南緯51度15.79分、東経137度08.88分

次の寄港地ホバートへ向け順調に南大洋を航行しています。風は弱まり、海上はだいぶ静かになってきました。気温も日に日に上昇してきてデッキでの作業がだいぶ楽になりました。本日もCPR(連続プランクトン採集器)の曳航を継続中ですが、今日の夕方には回収し今年の南大洋での観測は全て終了となります。
昨晩は晴れ間に綺麗なオーロラが観測されました。ここしばらく天気が優れず曇り空が多かったのですが、学生達の願いが通じたようです。今朝も時間改正で時計を30分進め、現在、船内時は日本時間+30分となっています。今晩も時計を30分進める予定です。

2015年2月1日

南緯54度53.75分、東経130度42.29分

早いもので今年も1月が終わり、今日から2月に入りました。この航海も昨年の12月1日に東京を出港してから2ヵ月が経ち、残りの航海は、あと約1ヶ月となりました。本日も学生は元気に実習を続けています。
今日も西風を左舷後方から受けながら針路を北東へ向け南大洋を航行していますが、昨日よりも波浪が小さくなり揺れも少なくなりました。北に上るにつれ気温も水温も徐々に上昇してきて、付近には氷らしきものは何もありません。つい先日まで船の近くを飛んでいた海鳥達の姿も消えて寂しくなりました。本日もCPR(連続プランクトン採集器)の曳航による観測は続けられていますが、デッキ上にあった多くの観測機材はほとんどが片づけられています。
今朝から船内時間をタスマニア時間に合わせるため時計の改正を始めました。今朝、30分進め、今晩も30分進めます。

2015年1月31日

南緯58度01.57分、東経122度45.38分

昨日18時過ぎ、今年の南大洋最後の定点観測を終了し、調査海域を離脱しました。残された観測は次の寄港地ホバートへ向かいながらCPR(連続プランクトン採集器)を曳航していくだけとなりました。今年の観測海域は海況に恵まれず、海上が静かになることはほとんどありませんでした。
現在、北西の風が強まり海上にはうねりがあって静かな航海とは言えませが、針路を北東へ向け順調に航行を続けています。例年であれば、まだ氷山が出現する海域ですが、周囲には1つも見当たりません。今年は本当に氷山が少なく、船を運航する側としては非常に助かるのですが、なぜか南極海にいるという感じがしません。もちろん油断はせず、見張りは厳重に行われています。

2015年1月29日

南緯60度57.97分、東経112度29.05分

現在、この航海最後のプランクトンネット(IONESS)を実施する観測点付近で観測待機中です。本日未明から北寄りの風が強くなり、海上も荒れ始めたため、今朝から行う予定だった観測を見合わせました。昼前には気圧は上昇中で風速も落ち始めてはいますが、波浪はまだ高く、ここでのネット観測は取り止め、本日午後からはCTDやXCTDの物理系の観測を行いながら東へ移動して行きます。またCPR(連続プランクトン採集器)による観測も始まります。西からは次の低気圧がきており、海上はなかなか静まってくれそうにありません。

2015年1月28日

南緯62度50.44分、東経109度54.08分

本日も測点を移動しながら観測を実施していますが、大きなうねりがありなかなか思い通りの観測が出来ていません。風はそれ程吹いていないのですが、船体は常に縦横へ揺れており、観測作業は十分な注意を払いながら行われています。ずっと天気が悪かったのですが、今日は午前中、久し振りに青空が出て日が射したのも束の間、すぐに曇り空に戻ってしまいました。また現在北上していますが、氷山が再び出現し、多数の鯨を見かけるようになりました。南大洋での観測予定日数が残り少なくなってきており、西に控えている低気圧が心配ですが、海況が最後まで持つように祈るのみです。

2015年1月27日

南緯63度02.62分、東経108度38.45分

2015年1月26日

南緯64度00.45分、東経106度29.73分

2015年1月25日

南緯64度09.52分、東経106度14.89分

2015年1月24日

南緯64度42.56分、東経108度08.12分

2015年1月23日

南緯64度47.49分、東経109度59.90分

南下するにつれ海上がだいぶ静かになってきました。本日0時過ぎには最南端の観測点であるKC6(南緯65度、東経110度)に到着しCTD他予定の観測を実施しました。現在、少し北へ戻った地点でナンキョクオキアミの調査を行っています。KC6の地点では数マイル南に氷縁を視認することができ、明日以降は氷縁付近での観測を行う予定です。
ここまで来て氷山の数が増え始め、やっと南極海らしくなってきました。周囲に氷が増え始めると同時に鯨も多く出現し船のすぐ近くまで接近してくる鯨もいて学生達を喜ばせています。

2015年1月22日

南緯63度59.93分、東経109度59.81分

大きかった波浪もだいぶ落ち着いて来たため、20時過ぎに観測を再開しました。本日は南緯64度まで下がってきましたが、再び風が強まり始めていて、海上はなかなか静かになってくれません。午後からプランクトンネット(MOHT)の曳網を行う予定ですが、安全第一で観測を続行中です。付近にはまだ氷山はほとんどありませんが、鯨や南極海特有の海鳥たちが多く観察されるようになり、ブリッジは賑やかになっています。

2015年1月21日

南緯63度02.94分、東経109度59.62分

昨晩まで南下をしながら予定の観測点で観測を実施してきましたが、昨日から吹き始めた南東の風が、本日早朝には風速20m/sを越え、海上は大時化となりました。今朝実施予定だった観測点での観測項目を変更又は中止し、現在、海況の回復を待つため、減速し、次の観測点へ向け、ゆっくり南下しています。
今年も例年と同様、東経110度のラインを下がってきましたが、南緯63度辺りまで来ても今年は氷山の数が非常に少なく、浮いている氷もまだほとんど見当たりません。今年は昨年より氷が北に張り出しているという情報を得ていますが、今年はどのあたりまで南下出来るでしょうか。

2015年1月20日

南緯61度44.30分、東経109度56.91分

本日は早朝から、南緯61度44分、東経110度00分付近の約4000mの海底に設置されていた深層係留系の回収を行いました。この係留系は前年度に海鷹丸が設置したもので、約1年ぶりに無事、再会を果たしました。
得られたデータやサンプルは今後、時間をかけて解析されますが、厳しい寒さの中、皆で回収した係留系ですので、ぜひ良い結果が得られればと願っています。現在、同地点でプランクトンネットによる採取を行った後、さらに南の観測点へ向け南下中ですが、少し風が強まり波も大きくなってきました。良い天気はなかなか続かないものです。

2015年1月19日

南緯61度04.11分、東経110度00.04分

昨晩、KC5(南緯60度、東経110度)の観測点を終え、さらに南下、現在、観測点C02(南緯61度、東経110度)においてプランクトンネット(MOHT)を曳網中です。昨日から風は弱く、今日もほぼ無風状態で、べた凪が続いており、順調に観測は行われています。
南極海での海洋観測に初日から参加している専攻科生は徐々に各種観測の作業手順を覚え、今や立派な戦力として乗組員と共に観測作業に当たっています。今後さらに厳しい環境の中での観測が予想されますので、皆の健康と安全な作業に十分注意しながら、無理のない調査を進めて行きたいと思います。

2015年1月18日

南緯59度12.72分、東経110度00.19分

現在、観測点C01(南緯59度、東経110度)においてプランクトンネット(MOHT)を曳網中です。ここの測点を終了後、さらに南下し南緯60度の測点へ向かう予定です。今日の天気は快晴で、海上もたいへん静かで絶好の観測日和となりました。南に下がるにつれ、飛んでいる海鳥の種類に変化があったり、鯨類の出現も増えてきて学生達を楽しませています。
まだ氷山は多くはありませんが、少しずつ数が増えてきていますので、さらに厳重な見張りが必要になってきました。段々、日が長くなり、暗くなる時間帯がほとんど無くなってきたことが救いです。

2015年1月17日

南緯55度35.62分、東経110度00.49分

今日の早朝、測点KC4(南緯55度、東経110度)に到着、観測を行いました。強かった西風は弱まり波浪もだいぶ小さくなっています。南下中は遠方に氷山を3個視認しましたが、まだ近くには現れていません。南極収束線を通過してから、水温はどんどん低くなっており、気温も朝は1度まで下がり、しばしば雪が降るようになりました。現在、天気は良く久し振りに穏やかになった海上を次の観測点へ向け南下しています。
海況などの影響でスケジュールより遅れはあるものの、今までの観測点ではCTD観測の他,NORPAC、Ring net等によるプランクトン採取、採水など予定の項目を全て実施できており、順調な観測航海が続いています。

2015年1月16日

南緯51度25.17分、東経110度00.34分

昨日の夜には風はだいぶ弱まり、大きかったうねりも段々小さくなりました。時化のため実施が危ぶまれた観測点KC3(南緯50度、東経110度)でしたが、到着した0時頃には海況もかなり回復していたため、観測を開始、予定されていた観測を全て行うことが出来ました。現在、次の観測点KC4(南緯55度、東経110度)へ向け南下していますが、気温も水温もここまで来ると、だいぶ低くなっていますのでデッキ上での観測作業は寒さとの戦いになります。作業員は皆、完全な防寒対策を施して作業に当たっています。
昨日15時頃には遠くに氷山を初認しましたが、南緯48度30分付近での初認は海鷹丸の航海の中でも、とても早い記録になるのではないでしょうか。今後は氷山や氷の見張りも大変重要な仕事となります。昼前から西の風が再び強くなり始めていますが、まだ海上はそれ程、荒れていません。

2015年1月15日

南緯47度47.15分、東経109度23.66分

昨日夕方に2点目の観測点KC2(南緯45° 東経110°)を予定通り終了し、次の観測点へ向け南下を開始しましたが、昨晩から西寄りの風が強く吹き始め、現在、海上は大時化となっています。平均20 m/sec以上の西風と有義波高10mを越える波で真っ直ぐ観測点へ向かえず、針路を南西に取りながら南下しています。現在、気圧は上昇中で風も少しずつ弱まっていますので船速は徐々に上がってきてはいますが、次の測点への到着時間はまだ未定です。今も船体の動揺はかなりなものですが、専攻科生は、とても元気で、昨年の航海から比べると皆、本当に頼もしくなりました。

2015年1月14日

南緯44度59.99分、東経110度00.39分

現在、2点目の観測点KC2(南緯45°,東経110°)へ向け航走しており、間もなく到着、観測を開始する予定です。昨日は最初の測点を14時頃に無事終えて南下してきましたが、風向が南西から北西になり船体の揺れがピッチングからローリング(横揺れ)に変わってきています。今日はまだ低気圧から離れていますので、海況はさほど悪くありませんが、今晩以降、南下するにつれ荒天が予想され、専攻科生は今年もまた暴風圏の洗礼を受けることになります。

2015年1月13日

南緯40度00.02分、東経109度59.99分

今朝6時過ぎ、最初の観測点KC1(南緯40°,東経110°)に到着し、今年第一回目の観測を開始しました。海上は昨日よりうねりが大きくなってはいますが、風は弱く観測初日は最高のコンディションの中でのスタートとなりました。午後も観測は続けられています。西側には低気圧が控えており、明日以降、南の観測点での天候が心配されますが、現在の海況が少しでも長く続いてほしいものです。本船の周囲にはアホウドリなど大型の海鳥の姿が見られるようになり、学生の目を楽しませていますが、風が弱いため、ほとんどのアホウドリが飛ばずに海面を漂っています。

2015年1月11日

南緯32度03.35分、東経115度43.38分

本日11時36分 パイロットが乗船し、11時45分フリーマントル港ビクトリア埠頭を離岸出港しました。防波堤を通過しパイロット下船後、船速を上げ、現在、南大洋の調査海域へ向け航走を開始しています。入港中は燃料・水の補給、食糧の積込み、ごみの陸揚げを行い、入港翌日の7日には南大洋調査のため、日本から首席研究員の茂木先生をはじめとする研究員20名がオーストラリアに到着、またオーストラリアの研究員2名を加えて、総勢22名がフリーマントル港に停泊中の海鷹丸に無事乗船しました。ジャカルタから乗船していた国立環境研究所研究員1名は同日、下船し無事、日本へ帰国しています。
停泊中は連日天気が良く、トラブルや事故もなく学生、乗組員とも、これから始まる環境厳しい南大洋調査航海の前に十分な休息がとれたようです。研究員乗船後は、研究室など船内各所に様々な調査機器が配置され、甲板上にも多くの観測機器が準備されました。明後日には最初の観測点に到着し、観測を開始する予定です。

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