大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立極地研究所 南極観測のホームページ

昭和基地NOW!!

南極の成層圏の温度が突然上昇!?

2019年9月1日

9月1日午前9時の放球の様子
最大瞬間風速18.7m/sの中、ラジオゾンデを放球する様子

今(9月1日現在)、南極の上空の成層圏(高度約10~50km)では、温度が急激に上昇する成層圏突然昇温と呼ばれる現象が起こっています。この現象が南半球で発生するのは極めて稀で、突然昇温の中でも大規模なもの(大昇温)が発生したのは、成層圏の観測が本格化して以来2002年のみ、大昇温より小規模な小昇温でさえも以前に起こったのは2010年です。昭和基地では、この極めて稀な大気現象を、様々な観測装置から捉えようとしています。特に、ラジオゾンデ観測では、通常は1日2回の観測を急遽1日4回に増やした特別観測を実施しています。

この突然昇温という現象は、対流圏の大規模な大気の波(プラネタリー波)が成層圏まで伝播して成層圏の大気の循環を変化させることによって発生することが知られています。実際に、8月23日には-74.6℃であった昭和基地上空の高度10hPa(約29km)の温度は、一週間後の8月30日には-6.5℃にまで(約70℃も!)上昇しました。このように、我々が住んでいる対流圏では想像もできない程、大きな温度変化が成層圏で起こっています。

この突然昇温は現在も進行中です。昭和基地では今後の突然昇温の推移に注目して、観測を続けていきます。

八木アンテナとオーロラ(9月1日午後9時)
ラジオゾンデから発信される電波を受信する八木アンテナとオーロラ

観測データについて議論する様子
9月1日午後9時観測のデータについて議論する隊員

2019年9月1日の気象情報

天気 日の出 日の入 最高気温 最低気温 最大風速
曇り時々雪 7:41 17:04 -8.4℃ -15.7℃ 18.6m/s

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