大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立極地研究所 南極観測のホームページ

昭和基地NOW!!

内陸旅行隊、昭和基地に帰還

2019年11月4日

昭和基地で出迎えを受ける内陸旅行隊
隊員による見事な似顔絵と共に

10月18日に隊員6名が内陸旅行隊として出発してから2週間あまり。11月4日に全員が無事に昭和基地へ帰還しました。

昭和基地から350km離れた標高約2500mの内陸部、MD78と呼ばれる場所への往復。無人気象観測装置AWSの新設を柱に、毎日雪上車で移動・生活しながら既設のAWSの保守、雪尺観測、積雪サンプリング、高層気象ゾンデ観測、無人磁力計の保守、大陸上の滑走路整備など様々なミッションを行いました。

昭和基地から遠く離れるため、食糧や燃料、観測物資など必要な物は十分な余裕を持たせた上で全て雪上車とソリに載せて持って行きます。唯一、水だけは雪上車エンジンの排熱で雪を溶かすことで現地調達することができます。

日によっても異なりますが大まかな1日のスケジュールは以下の通りとなります。朝7時に朝食、雪上車の暖気を行って8時に出発。12時に休憩と共に雪上車に給油。移動が多い日は走りながらの昼食。18時頃には移動や作業を終了し、その日のキャンプ地となる場所を選んでキャンプ体制を取ると共に再び給油。19時から夕食となり、20時には昭和基地と無線でお互いの状況や行動予定を共有する定時交信を行います。

内陸へ進むにつれて標高が高くなるため、気温が下がると共に空気が薄くなっていきます。AWSを設置したMD78ではマイナス40度近い寒さと平地より3割少ない酸素。息がすぐ切れることもあり、凍傷にならないよう小まめに休憩を取りつつの作業となりました。また、帰路では夜の定時交信の後にゾンデ観測を行うなど夜遅くまで作業が続きました。こうした内陸旅行で得た貴重な観測データは、南極全体の気候変動の把握やそのメカニズムを解明することに繋がっていきます。

内陸旅行隊が帰った昭和基地では久しぶりに越冬隊31人が揃いました。短い夏に向けて様々な作業が加速していきます。

大陸を進む雪上車
様々な物資を載せたソリが連なる

ルート旗のメンテナンス
何もない大陸の上で目印となる大事な存在

雪上車への給油
3台への給油はなかなかの重労働

雪上車での食事
食事も寝るのも雪上車の中

MD78に新設したAWS
過酷な環境での完成を祝う

無人磁力計のメンテナンス
大陸の作業は何事も硬い雪を掘るところから

積雪のサンプリング
融けないように持ち帰り、国内で詳細な分析が行われる

キャンプイン後のゾンデ観測
夜の9時でも日没直後のためまだ明るい

静かに眠るみずほ基地
有人基地としては閉鎖されたが各種観測は継続中

2019年11月4日の気象情報

天気 日の出 日の入 最高気温 最低気温 最大風速
快晴 2:50 21:25 -7.9℃ -13.1℃ 8.7m/s

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