基本観測棟での気象観測始まる
2019年12月2日
クレーン車による物資移動
これにより効率的に荷物を移動させることができました
12月2日より、基本観測棟での気象観測が始まりました。14次隊以降、47年の長きにわたり昭和基地における気象観測は気象棟で行っていましたが、基本観測棟の内装工事が一段落し、2020年1月に気象棟の解体工事が予定されていることから、12月2日に他の観測に先駆けて気象観測を基本観測棟に移転しました。
移転までの道のりは簡単なものではありませんでした。気象観測に携わる隊員は越冬隊31名中5名の大所帯ではあるものの、24時間365日途切れることなく観測を継続させるために当番制を採っており、移転に関する作業は別に時間を作って行わなければならず、5名の気象隊員だけでは物資の移動もままならない厳しい状況でした。
しかし、ここで60次越冬隊のチームワークが発揮されました。越冬隊員は各々が専門技術を持ったスペシャリストです。どのような方法・日程で物資を移動するかを設営部門の隊員を交えて事前に検討を行い、12月2日に基本観測棟で気象観測を始めるための準備を入念に進めました。
移転の前段階の物資搬出入は11月中に次の方法で2回行いました。
1)気象棟前に用意したスチールコンテナに搬出する物資を詰め込む。
2)1)をクレーン車で吊り上げ、基本観測棟外階段2階踊り場に移動。
3)そこでコンテナを展開し、あとは人の手で物資を基本観測棟内に搬入する。
階段の上り下りや、人の手で物資を運ぶ負担を軽減し、積極的に重機を用いるこの方法は事前の検討の賜物で、多くの隊員の協力も相まって驚くほど効率的に作業を進めることができました。その結果、移転当日の12月2日には、観測継続に必要な最小限の物資及び観測機器だけを移動すればよい状態となり、基本観測棟への気象観測の移転作業をスムーズに行うことができました。
移転後は何事もなかったかのように観測は継続され、これまでと変わらず24時間365日、途切れることない観測体制を維持しています。
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