カナダ海盆係留系設置チーム① 観測便り

GRENE基盤係留系設置(2012.8.30〜31)

現在地:北極海カナダ海盆(北緯77度00分、西経170度00分)

チームメンバー:小野純(極地研/東大院新領域)、平野大輔(極地研/東京海洋大)

写真1 トップフロートにADCPを取り付けている様子

これまでに、様々なトラブルに見舞われ、度重なる予定変更が繰り返されてきました。そのため、本航海の最重要ミッションの1つであるGRENE基盤係留系2系の設置を、8月30日(北緯76度、西経160度10分)および31日(北緯77度、西経170度)にようやく行うことができました(写真1)。

写真2 いよいよ設置終盤,トップフロートの投入

写真3 沖合に停泊するルイサンローラン号

これらの係留系には、流速計(ADCP)、ice sonar、一日に一回自動昇降して水温・塩分・流速を測定することができるMMPとよばれるプロファイラー等が取り付けられており、回収は一年後を予定しています。この通年にわたる係留観測により、上層海洋および海氷変動の実態を把握し、大気/海氷/海洋循環のメカニズムを解き明かす貴重なデータの取得が期待されます。一年後、無事に回収(再会)できることを祈るばかりです。

2012年9月8日、ルイサンローラン号は二日遅れでクグルクツクに到着し、我々にとって初めてとなる北極海での観測は無事に終了しました。そして、沖合に停泊するルイサンローラン号(写真3)にしばしの別れを告げ、クグルクツクを後にしました。

気象情報

天気 曇り時々晴れ時々雨(6〜18時)