研究課題(7)

北極海航路の利用可能性評価につながる海氷分布の将来予測代表者

研究代表者:島田浩二(東京海洋大学)

サブ課題:北極航路利用のための海氷予測および航行支援システムの構築

山口 一(東京大学)

計画概要

北極航路利用のために必要な予報システムや判断基準を作成するために、4つのテーマについて研究を進めます。

1 海氷分布の予測:北極海に入った船舶の航行支援のための数日から10日スケールの短期予測、 航路の利用可否および利用可能期間を決定するための数ヵ月スケールの中期予測の手法を確立します。短期予測には、 オホーツク海において運用実績のある高解像度の海氷―海洋結合数値モデルを用います。中期予測は、 人工衛星データの解析とその結果に基づく統計モデルによって行います。また、下記のサブ課題による数値計算結果から、 より長期の海氷変動傾向を判断します。

2 航路周辺の氷況モニタリング:人工衛星リモートセンシングによって、海氷の状態、特に厚さをモニタリングする手法を確立します。さらに、得られた氷況をもとに、適切な航路を選択できる氷海ナビゲーションの手法の開発を行います。

3 氷海航海時の船舶への影響の把握:氷片が船体に接触した際の衝撃力や安全性を評価します。また、 事故につながる船体への着氷を予測・軽減する技術を開発します。

4 経済性評価:技術と経済性を考慮した運航シナリオを提案します。

これらの成果を集約することで、 北極海航路利用の可否を判断し、 効率的に利用するための「航行支援システム」を作成します。それによって戦略研究目標④「北極海航路の利用可能性評価につながる海氷分布の将来予測」の実現に貢献します。