大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立極地研究所

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研究活動 研究グループ

極地工学研究グループ

極地に挑む技術の
さらなる進化をめざして

グループ長 本吉洋一

有人・無人観測が直面する問題に応える「極地工学」

探検の時代より、極地観測は、その厳しい環境に人が分け入る有人観測によって牽引されてきました。極地は極寒・強風という、人間が生活するには大変厳しい環境です。また雪や氷によって交通が困難となるため、運べる物資・燃料の量も限られています。従って、環境から身を守る建築技術と物資輸送、その有効利用の技術は重要です。一方、無人観測は宇宙の分野で著しい発展を遂げてきました。しかし、この技術を地球の極地観測に用いるとき、私たちは地球固有の問題に直面します。地球には導電性の物質「水」が存在し、様々な形で機器を破損に導きます。また、数ヶ月続く極夜のため、太陽光のみで電力を賄うことが出来ません。極地工学は「地球の極地」という環境下で、有人・無人観測が直面するさまざまな問題に取り組んでいます。

太陽電池の評価試験設備

大気サンプリング気球搭載コンピュータ

昭和基地の電力削減とCO2排出削減に関する研究

「しらせ」によって年一回補給される燃料は、基地の暖房と発電に利用されます。私たちのグループでは電力・暖房の使用状況を分析し、一層の効率化を図る研究をしています。また、昭和基地の太陽電池は、飛来物の衝突による破損と水の浸入により、発電量の減少が起こります。設置方法を検討することで、それを抑制する研究を行っています。さらに、効率的な暖房機(ヒートポンプ方式)の現地試験データを分析し、その改良を通じてCO2排出削減を目指しています。

昭和基地における使用電力量と太陽光発電量
2011年3月から2012年2月までの1年間の、昭和基地における使用電力量と太陽光発電(定格55kW)の発電量の変化を示す。使用電力量の変化は比較的小さいが、太陽光発電は極夜の影響で5〜7月は発電量がほぼ0なのに対し、白夜の11~12月は使用電力量の4%以上を賄っている。

各種無人観測装置の開発

極地での多岐にわたる無人観測を行うため、省電力で信頼性の高い制御装置の開発を行っています。これらの制御装置は要求される制御の複雑さ、利用可能な電力など使用条件に応じて随時設計し、テストを行います。システムの全体設計は、人工衛星やロケットで利用するシステムを参考としています。開発された装置は、気球の制御、生物行動の記録、月軌道からのオーロラ撮像に利用されます。

そのほか、観測隊用防寒着の開発、雪上建造物の基礎工法の研究を行っています。

観測隊の動きに特化した越冬隊用防寒着

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