海上保安庁

南極地域観測における水路測量の始まりは第1次隊であり、当時寄港地であったケープタウンと南極大陸間で水路測量が行われました。第2次隊以降も水路測量は継続され、現在に至るまでリュツォ・ホルム湾沿岸部、南極大陸周縁部、インド洋等、様々な海域において水路測量を行ってきました。

宗谷、ふじ、初代しらせでは、船の真下のみ測定するシングルビーム測深機を搭載していましたが、2代目しらせにおいて、マルチビーム測深機が搭載され、数百本の細い音響ビームを発射して海底を広範囲に、かつ、より正確に調査できるようになりました。

水路測量の成果をもとに、南極周辺の海図が1966年に刊行されました。それ以降新たな調査結果を取り込みながら海図はアップデートされています。南極周辺の海図は、国際水路機関(IHO)のメンバー国が分担して刊行することとなっており、現在日本は南極周辺の紙海図(国際海図)3図、電子海図13セルを刊行しています。

潮汐観測は、第1次隊以降試行錯誤のすえ、第12次隊の1971年から昭和基地がある東オングル島の​西岸「西の浦」における観測が開始されました。また、1987年からは現在と同じ方式である水晶水位計による観測を開始し、途切れることなく現在も西の浦験潮所において観測が行われています。西の浦験潮所は、南極地域の数少ない験潮所(11ヶ所)の一つであり、海水面変動、地殻変動のモニター点として貴重な潮位データを取得し、リアルタイムでデータを提供しています。

第7次隊から第50次隊にわたり、海洋物理観測を担い、南極周辺海域における海水の循環系等の実態解明のため、海流、水温の測定や化学分析等を実施しました。また、同時期に、海洋化学観測に携わり、南極海洋環境保全の基礎資料収集のほか、地球規模の海洋汚染把握のため海洋汚染物質の濃度測定を行いました。

2代目しらせ艦内での海底地形調査の様子

西の浦での潮汐観測開始

当庁が刊行する南極周辺海域の海図