情報通信研究機構(NICT)では、地球周辺の宇宙環境変動により影響を受ける通信・放送・測位・衛星運用等の社会インフラの安定運用への貢献を目的に、国内外にて宇宙環境変動を監視し、宇宙天気予報および関連する研究開発を行っています。その活動の一つが、南極における電離圏(電離層と同意)の観測です。南極は、太陽から到来する高エネルギー粒子やプラズマ流による電磁場が地球に入り込む重要な場所で、その影響が世界中に広がることがあります。特に昭和基地は、オーロラがよくみられる地域にあり、宇宙環境の変化を調べるのに最適な場所です。
NICTは、前身である郵政省電波研究所時代に1次隊(1957年)から南極地域観測隊へ参加し、昭和基地での電離層定常観測を3次隊(1959年)から開始しました。それ以来、約70年近く観測を続けており(図1, 図2)、そのデータは国際的にも非常に貴重です。これらの電離圏観測データは、国際学術会議(ISC)の「電離圏・宇宙天気に関する世界資料センター(WDC for Ionosphere and Space Weather)」にて公開され、電離圏国際標準モデルの改訂や多くの学術研究に役立っています。さらに、2013年からは衛星電波の乱れ(シンチレーション)観測も開始しました。南極昭和基地での電離圏観測の歴史や最新の取り組みについては、以下のリンクからもご覧いただけます。

南極電離圏観測装置(イオノゾンデ)の変遷

太陽黒点数(上)、および、昭和基地における電離圏F領域臨界周波数(foF2)の長期変化(下)。
foF2は、昭和基地の昼間(緑)および夜間(青)の月ごとの中央値を示し、太陽黒点数とよい相関が確認できます。







