ArCS 北極域研究推進プロジェクト

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北極域研究推進プロジェクト(ArCS)データポリシー

北極域研究推進プロジェクト
運営委員会決定
平成27年12月24日

このポリシーでは、文部科学省の補助事業として国立極地研究所、海洋研究開発機構及び北海道大学が行う北極域研究推進プロジェクト(ArCS)(以下「本プロジェクト」という)の成果として取得した各種のデータの取り扱いとその利用等についての基本的な方針を定めます。

1. 目的

本プロジェクトは、急変する北極域の気候変動の解明と環境変化、社会への影響を明らかにし、内外のステークホルダーによる持続可能な北極域の利用等についての適切な判断を可能とする、精度の高い将来予測や環境影響評価等を行うことを目的としています。
本プロジェクトでは北極域で極めて学術的価値の高いデータを取得することが予定されています。これらのデータは、人類共有の財産であり、研究・教育・産業界などの利用のために広く公開され、将来にわたって世界中で活用されることが重要です。これらの貴重なデータを長期にわたり保管し、利用しやすい形で提供することが、本プロジェクトに課せられた最も重要な目的の一つです。

2. データの定義

本ポリシーで取り扱うデータとは、本プロジェクトにより取得されたものを指します。
具体的には、調査観測データ、シミュレーションデータ、画像(動画、静止画、写真を含む)、図面等の調査研究等で得られた各種情報及びそれらを記録したもの、並びにそれらのメタデータを指します。また、生物、土壌、海水等の調査研究等で得られた標本(サンプル)のメタデータ、並びに同標本(サンプル)の分析データ及びそれらのメタデータも含みます。

3. データの権利

本プロジェクトにより取得されたデータは、特別な取り決めがある場合を除き、それぞれの実施機関に帰属します。本プロジェクトは、本プロジェクトにより取得されたデータを利用する権利を有します。

4. データの知的財産としての取り扱い

各種のデータには、知的財産として保護すべきものが存在します。これについてはそれぞれの実施機関が指定します。
知的財産は、科学的価値のみならず社会経済的価値を有しており、適切な形態で社会に発信、還元されるべきものであり、それらを取得したそれぞれの実施機関の関連ポリシー、規程等にもとづき、知的財産と指定されたデータの積極的活用を図るとともに適切な管理に努めます。

5. データの公開

本プロジェクトの研究者は、取得されたデータの価値を最大限に高めるために、すみやかなデータの公開に努めます。ただし、データを取得した者には、それらを公開するために必要な処理(補正、品質管理等)を行うために、公開を猶予する期間が与えられます。

6. データの保管・管理・活用

本プロジェクトで取得されたデータのうち、知的財産と指定されないものは、科学的・教育的・産業的利用のため、北極域データアーカイブシステム(ADS)が、適切に管理・保管するとともに、国内外の研究機関、研究者及びステークホルダーに対して円滑に提供します。

本プロジェクトは、以上の基本方針を担保するため関係諸ルールを適切に整備するとともに、本プロジェクトに参加する全ての研究者等に対し本ポリシーに則ったルールの遵守を要請します。