北極動植物相保全(CAFF)作業部会役員会議について
報告者:内田 雅己(国立極地研究所/陸域課題)
令和3年9月6日~9月8日の3日間、北極動植物相保全(CAFF)作業部会役員会議が開催されました。議長国がフィンランドとなって初めての会議でした。CAFFの事務局本部はアイスランドですが、COVID-19におけるヨーロッパ内の移動制限が緩和されたため、今回事務局は議長国に移動し、議長の隣で会議の進行をサポートしました。しかし、他の参加者たちはオンラインでの参加となりました。参加人数は日によって異なりましたが、45名ほどでした。
周北極生物多様性モニタリングプログラム(CBMP)、北極域の海洋における外来種問題、北極湿地生態系、北極渡り鳥イニシアチブ(AMBI)、北極生物多様性コングレスなどの話題について議論がありました。COVID-19蔓延による行動制限の影響を受けているプロジェクトが複数ありましたが、柔軟に計画を変更して対応した様子が伺えました。また、議長国のフィンランドは、議長期間中に6つのショートビデオを作成する計画を発表し、参加国や機関に対して協力を呼びかけました。
CAFFは2014年以降、4年毎に生物多様性会議を開催してきました。次回は2022年にロシアで実施予定でしたが、COVID-19蔓延により、生物多様性会議の準備は頓挫していました。今回、ロシアから2022年にヤマル半島で実施したいとの発言があり、議長、事務局およびロシア担当者で今後情報交換を活発化させ、実現の可能性について具体的に検討を始めることになりました。最後にフィンランドの議長から、次回の会議はフィンランド国内で実施したいとの発言でしたが、フィンランドは国内の移動制限が緩和され、半年先までホテルは予約が埋まっているため、会議参加者の宿泊を確保できるか確認したいとのことでした。
CAFF ウェブサイト(英語)