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Arctic Frontiers 2025 参加報告

報告者:榎本 浩之(国立極地研究所)

Arctic Frontiers 2025では、サイエンスセッションと政策や国際活動を議論するBig Pictureセッション、地域や観測テーマ、International Polar Year(IPY)に向けたサイドイベントが開催されました。また、第2回北極科学大臣会合(2nd Arctic Science Ministerial: ASM2)から提案されている北極科学ファンダーズフォーラム(Arctic Science Funders Forum: ASFF)会合も開催され各国の近況報告が行われました。

会議初日にはIPY5に関するセッションが計4時間半にわたって行われ、IPYの歴史や現在の構想から準備、そして各国の将来計画についても紹介されました。各国ともIPY5に関わる研究計画についての紹介がありましたが、開催国のノルウェーはArctic Ocean 2050という10年間のプロジェクトの2026年1月の開始を目指し活動していることが紹介されました。

前回のIPYでは、研究活動のコーディネーション、データ共有にも問題が指摘され、IPY後に持続可能な北極観測ネットワーク(Sustaining Arctic Observing Networks : SAON)が設立され、これらを検討することになりました。また若手参画や教育のために、Association of Polar Early Career Scientists(APECS)とPolar Educators International(PEI)も活動し始め、国際的に認知される組織となっています。IPY事務局から、IPYプランニンググループの議論への意見提出、IPY実施委員会やタスクグループへの参加、IPY事務局への協力を要請されています。

Arctic FrontiersにおけるIPY検討会は、これまでに2回Closed MeetingとしてEU中心に行われていたようですが、今回はアジアへの招待も行われました。来年も議論を重ねる予定であると思われます。