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「ArCS II×さいたま市教育委員会 教職員理科研修」を開催しました

2023年8月8日(火)に、国立極地研究所にて、ArCS IIとさいたま市教育委員会が共催する教職員理科研修「北極に親しみ、学習資源を知ろう!」を開催しました。さいたま市の小中学校の教職員48名が参加し、小学校と中学校の校種ごとにグループを形成して研修を実施しました。

午前中は、榎本 浩之ArCS IIプロジェクトディレクターによる講演から開始しました。北極の地理や環境などの基本的な情報を紹介し、地球温暖化の影響や北極から考えるSDGsについて解説しました。次に、丹羽 淑博氏と矢吹 裕伯氏ら(全て国立極地研究所)による、北極を題材とした教材や授業実践例の紹介を行いました。実際に石灰水を使った実験を体験しながら、北極で起きている海洋酸性化と教科書を紐づけた授業案を提案したり、北極域データアーカイブシステム(ADS) のデータを利用した授業例、ArCS IIが開発した子供向けワークショップの教員向け教材を紹介したりしました。

続いて、北極ボードゲーム『The Arctic』 体験会を行いました。参加者は、研究者、先住民、開発業者など、それぞれの役割になりきり、北極で起こるさまざまなイベントに対処していきました。グループ内では活発な意見交換がなされ、北極の課題の多様性・複雑性に驚く声や、ボードゲームの教材としての有効性に期待する声が多く聞かれました。会場内では、ADSのコンテンツや出版物などの展示も行いました。休憩中には研究者やスタッフが解説し、これらの教材の授業への活用案を提案するなどの交流がありました。

午後は、北極に関する授業を開発するワークショップを行いました。個人で授業案を作成した後、グループ内や他のグループと共有し、お互いの授業案について意見を交わしました。初任者からベテラン教員まで、年齢や受け持ち学年が異なる教員たちの間で活発な意見交換がなされ、大変貴重な時間となりました。

最後に、実物の北極海の海氷と南極の氷を観察しながら、榎本氏による解説と南極・北極科学館の紹介を行いました。参加者は北極と南極の氷を手に取って比較し、それぞれの氷の成り立ちや性質の違いを学びました。その後、科学館へ移動して北極や南極の展示を見学しました。

参加者アンケートの満足度は大変高く、今後、北極をテーマにした授業を実施したい、出張授業や極地研訪問を依頼したいとの声も多く聞かれました。一方、子供向け資料や北極教育教材の充実を望む意見も出たことから、今後は、教材の充実にも取り組んでいく予定です。

 

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