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北海道立オホーツク流氷科学センターとの共催イベントを開催しました

2023年3月19日(日)に、ArCS IIと北海道立オホーツク流氷科学センター による共催イベントを北海道紋別市で開催しました。「1日まるごと北極まつり!」と称して、午前は小学生向け、午後は高校生以上向けのワークショップを実施、また館内では研究成果のパネル展示や地球観測衛星データを活用した体験プログラムを提供しました。


それゆけ!北極パトロール・こども海氷ワークショップ

小学1年生~6年生とその保護者31名が参加して、過去の北極海の海氷面積の変化を調べ、今年9月の海氷面積を予測するワークショップを行いました。北海道立オホーツク流氷科学センター長・高橋 修平氏による流氷クイズの後、講師の東京大学大気海洋研究所の木村 詞明氏(気候予測課題)が北極や海氷、地球温暖化の影響などについてクイズを交えながら解説を行いました。ミッション①では過去21年分の北極海の海氷面積の変化を数値化し、ミッション②では今秋の海氷面積の予想を立てました。なお、この予想は「ArCS II Kids」のグループ名でSea Ice Outlook (注1)へ投稿し、その結果を参加者へ報告します。最後は「北極はかせ」認定クイズを行い、全員が全問正解し「北極はかせ」に認定されました。参加者からは、「みんなで協力して海氷面積の変化を調べたのが面白かった」、「自分の予想が世界(Sea Ice Outlook)に発表されることが印象に残った」、「海氷が解けても海面は上がらない、北極の環境変化は日本に影響があるのは驚きだった(保護者)」などの感想が寄せられました。
注1)Sea Ice Outlook:北極海の海氷予測の国際的研究プロジェクトSea Ice Prediction Network(SPIN) が発表する報告書

大人も苦戦の高橋氏による流氷クイズ
ミッション①・各自北極海の海氷面積を計算中
ミッション②・協力して今秋の海氷面積を予想 
クイズに挑戦!君は「北極はかせ」になれるか!?

北極の今を知り未来を考えよう!・北極ボードゲーム『The Arctic』体験会

紋別市や近隣の高校の科学部、北見工業大学などから、科学や北極に興味のある学生や教育関係者29名が参加しました。最初に高橋氏による北極に関する概説を聞いた後、5つのグループに分かれて北極ボードゲーム『The Arctic』 をプレイしました。ゲームの結果はグループごとに多様で、クリアできた参加者は少数でしたが、終了後はゲームを振り返り、熱心に話し合う姿が見られました。参加者からは、「楽しみながら複雑な北極の問題を知れた」、「環境だけでなく文化や経済からの視点を得られた」、「問題に対応するためには早い段階から対策が必要なことがわかった」、「今日のことを周囲の人に話したい、授業で活用したい」、「各テーブルの結果が違って面白い」などさまざまな感想が寄せられました。

立場が異なる6種類の職業に分かれてプレイ 
チームで対応を判断するイベントも

北極の今を知り未来を考えよう!・北極の環境変化をみてみよう!

ボードゲームに参加者した有志を対象に、国立極地研究所の北極域データアーカイブシステム(ADS) を使い、地球観測衛星データの活用例を紹介しました。ADSは北極の環境変化のデータを準リアルタイムで公開しているウェブサイトです。講師の国立極地研究所・矢吹 裕伯氏と丹羽 淑博氏(共に研究基盤・ADS)の解説に従いながら、参加者は手元のタブレットで海氷面積の変化やデータの出力方法などを学び、自力で北極の環境変化を調べました。参加者からは、「最新のデータを簡単に見られることに驚いた」、「研究データを基に地球について考える機会が持ててよかった」、「自分の研究に活かしたい」などの感想が寄せられました。

矢吹氏が語る北極研究を行う意義
簡単な操作で海氷域や海水面温度を調査可能

北極やArCS IIに関する展示

北海道立オホーツク流氷科学センターの展示室では、ArCS IIの研究成果パネルの展示、資料配布、ADSによる体験型展示を提供しました。今回、新規に作成した研究成果パネルは、今後、流氷科学センターの常設展示として設置されます。ADSの体験型展示では、子供から大人までがスタッフの解説のもと自分の体を動かし、北極の環境変化を視覚的に体験したり、世界の北極研究者が集まっている国際観測村をバーチャル探検したりしました。

ArCS IIや北極についてのパネル展示
手をかざし動かして、地球全体を見てみよう!

紋別は流氷が生活の一部にあることから海氷変化への関心が高く、参加者からは予想を上回る好反応が得られました。

 

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