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ArCS IIイベントシリーズ・実験教室「北極海はどんな海だろうか?」を開催しました

ArCS IIの最終年度である2024年度は、代表機関の国立極地研究所の南極・北極科学館を中心に、ArCS IIイベントシリーズ「ようこそ、北極へ!」を、年間を通して行います。夏休み期間の2024年8月2日(金)には、丹羽 淑博氏(国立極地研究所)を講師に迎え、中高生を対象とした実験教室「北極海はどんな海だろうか?」を実施しました。


まず初めに、北極海の位置と地理的特徴を説明し、それから実験に取り組みました。実験では真水と塩水を入れたコップの中に氷を入れてそのとけ方を比較し、塩水のコップの氷の方がゆっくりとけることを確認しました。そして、なぜそうなるのかを考察するため、コップの中の水温と塩分を測定し鉛直分布のグラフを作ったり、スポイトで色水を加えてコップ中の液体の流れを観察したりしました。

実はこの実験、北極海の海洋構造を再現するものになっています。このことを、実際の海洋データから水温と塩分の鉛直分布を読み取ることで確かめました。これら実験やデータ分析を通じて、北極海で海氷ができるしくみや、北極域で冷やされた海水が深海に沈み深層循環ができることを学んでもらいました。そして、最後に温暖化が急速に進む北極海の将来について考えました。

質疑応答の時間には、「塩水のコップの壁に気泡が付いているのはなぜか。」「どの液体が沈み込むかは塩分と水温のバランスで決まっているのか。」「シロクマはこのままでは絶滅してしまうのではないか。」「なぜしらせは北極に行かないのか。」「極地研での仕事には研究以外にどのようなものあるか。」など多くの質問が出ました。

参加者アンケートには、「実験や分布表など、今まで見たことや体験したことがないものが多くあり、ワクワクしました。」「北極海にはどこにでも氷があると思っていたが、ノルディック海には氷が無いと知り驚いた。」「1000 mなどの深海を調査する方法について気になった。」「深層循環が減少したり無くなったりしたら何が起こるかを調べたいと思った。」「海洋物理という分野を初めて知り興味が湧いた。」などの感想が寄せられ、参加者の北極海や海氷、研究、地球温暖化への興味・関心をさらに引き出すことができました。

 

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