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International Association for Suicide Prevention (IASP) Pan-American Conferenceへの参加および口頭発表

若手人材海外派遣プログラム参加者:2024年度短期派遣
吉田 早希(東北大学)

2024年11月19日~22日の4日間、米国ミネソタ州ミネアポリスで開催されたInternational Association for Suicide Prevention (IASP) Pan-American Conferenceに参加しました。IASPは自殺予防に取り組む国際的な組織で、エビデンスに基づいた取り組みや知識、経験の共有を目的として、今回のPan-American学会をはじめとする地域を分けての学会・世界全体の学会を隔年で開催しています。

今回私は、オーラルセッションにおいて、アラスカ先住民の若者における文化的背景に基づいた自殺予防の取り組みについて発表を行いました。

(写真1)学会発表中の様子

先住民の人々など、差別を経験する脆弱な集団は自殺リスクが高いことが指摘されており、アラスカ先住民の人々は、先住民ではない人々と比較して自殺死亡率が高い状態が長期にわたって続いています。若者にも同様の傾向が見られており、その対策として、先住民の人々にとっての強みである伝統的な文化を活かした取り組みが積極的に取り組まれています。文献検討を行い類型化した卒業研究の結果を今回発表してまいりました。

口頭発表、そしてディスカッションや質疑応答から、自分の研究の弱み、わかりにくい点、伝わりにくい点について再確認しました。また、同じような課題を抱えるカナダの現状などを共有いただき、取り組みの重要性、そして研究の意義を改めて意識しました。

(写真2)プレナリーセッションの開始前の様子

他の日程・時間帯には若者への自殺予防や、先住民やマイノリティなどの弱い立場にある人々についてのセッションを中心に聴講しました。北極域をはじめとする一部地域での地理的ハンディキャップ、自殺予防プログラム開発の企画・運営の現状など、幅広い視点から学ぶことができました。

また、研究者だけでなく実際に精神保健分野に従事している医療・心理関係者など、実務者の参加も多く、まだ臨床や地域などにおける現場経験のない自分にとって、Q&Aセッションで交わされていた現実的な課題についての意見交換についても、とても学び深いものでした。

さらに、発表のほかに、米国各地やカナダから参加したさまざまな研究者の方々とコミュニケーションをとり、今後の研究に向けた貴重なネットワーキングの機会を得ることができました。

初の単身渡米でさまざまな緊張や不安もありましたが、無事に終え、大変貴重な経験を得ることができました。ご支援を賜りました若手人材海外派遣プログラムの関係者の皆様、北極研究に携わる皆様に感謝申し上げます。ありがとうございました。

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