2018年5月3日
国際地球観測年(1957-1958年)を契機に開始された日本の南極地域観測事業では、これまで昭和基地やドームふじ基地、あるいは南極観測船「しらせ」を舞台に数々の科学的成果を上げてまいりました。1977年からは、4〜6年を一区切りとする中期的な計画を基に、各年度の実施計画を立案・実施してきており、現在は、2016-2022年の6年計画の枠組みで、第Ⅸ期計画を進めています。
前身の国立科学博物館の時代から実施機関として南極地域観測事業の中核を担ってきた国立極地研究所では、現南極観測船「しらせ」(2代目)の就航(2009年)にあわせ、2008年に10年先の南極地域観測事業を見据えて「新たな南極地域観測事業のあり方-新観測船時代のビジョン-」を策定し、長期的な視点により第Ⅷ期、第Ⅸ期計画に取り組んでまいりましたが、当初想定した10年が経過し、南極地域観測事業や学術・科学技術を取り巻く社会的、国際的な状況にも変化が生じています。
そこで、国立極地研究所では、時代に沿った新たな南極地域観測事業の将来構想を検討するため、昨年10月から、2034年頃と見込まれる次期観測船就航を睨んだ将来構想の検討を進めてまいりました。
今回、将来構想に盛り込むべきサイエンスの方向性について、広く研究コミュニティから提案を募り、併せて、国立極地研究所でまとめる将来構想の中間報告に対して、忌憚ないご意見をいただく場として、南極観測シンポジウム2018を企画しました。
多様な研究分野の多数の皆さま、特に将来の南極観測を担う若手研究者、からの夢のあるサイエンスの方向性の提案(アイディア)、また、我が国の南極地域観測事業に関心をお持ちの多数の方々のご参加と忌憚のないご意見をお待ちしています。
国立極地研究所
南極地域観測将来構想タスクフォース委員長
野木 義史
大学共同利用機関法人情報・システム研究機構 国立極地研究所
2018年7月31日(火)10:00〜17:00
国立極地研究所大会議室(東京都立川市緑町10-3 http://www.nipr.ac.jp/outline/summary/access.html)
※場所が、国立国語研究所から変更になりました(2018/5/29)。
※公開しました (2018/7/10)
※一部変更しました (2018/7/18)
9:30 | 受付開始、開場 | |
10:00 | 開会 | 全体進行:橋田(極地研) |
10:00〜10:05 | 趣旨説明 | 野木(極地研) |
10:05〜10:30(25) | 将来構想(中間報告)概要説明 / 質疑応答 | 野木(極地研) |
サイエンスの方向性の提案 | ||
座長:行松(極地研)第1部 | ||
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10:30〜10:50(20) | 1. 磁気流体シミュレーションと将来のオーロラ研究② | 片岡龍峰(極地研) |
10:50〜11:10(20) | 2. PANSYレーダー長期連続観測によるサイエンス① | 冨川喜弘(極地研) |
11:10〜11:30(20) | 3. 南極における大気重力波のスーパープレッシャー気球観測① | 冨川喜弘(極地研) |
11:30〜11:50(20) | 4. 南極大気のモニタリング観測③ | 後藤大輔(極地研) |
11:50〜12:10(20) | 5. 西オングル島を活用した模擬宇宙探査実験① | 村上祐資(極地振興会) |
12:10〜13:00 | 昼休み | |
座長:渡辺(極地研)ポスター発表紹介 | ||
13:00〜13:05 (5) | A. 国際SuperDARN観測将来計画と南極観測① | 行松彰(極地研) |
13:05〜13:10 (5) | B. 「アクセス」が容易な東南極地域無人航空機観測の展開③ | 林政彦(福岡大学) |
13:10〜13:15 (5) | C. 極域地上多点ネットワーク観測による宇宙天気研究② | 田中良昌(極地研) |
座長:渡辺(極地研)第2部 | ||
13:15〜13:30 (15) | 6. 高校生南極派遣プログラムの提案③ | 北澤佑子(茨城県立守谷高) |
13:30〜13:45 (15) | 7. 「しらせ」の弾力的な運航による夏期の効率的なオペレーション③ | 石沢賢二(極地研) |
13:45〜14:00 (15) | 8. 東部ドロンイングモードランドにおける新たな観測拠点:新あすか基地の可能性③ | 橋田元(極地研) |
14:00〜14:20 (20) | 9. 地球温暖化が進行するなかでの南極氷床の挙動および質量収支① | 藤田秀二(極地研) |
14:20〜14:40 (20) | 10. 南極内陸における大気・雪面相互作用の理解に向けて-ドームふじでの越冬観測の提案① | 藤田耕史(名古屋大) |
14:40〜14:55 | 休憩 | |
座長:田村(極地研)第3部 | ||
14:55〜15:15 (20) | 11. 測地観測網最大の空白:南極大陸① | 大坪俊通(一橋大) |
15:15〜15:35 (20) | 12. 南極砕氷掘削船の可能性について② | 土屋範芳(東北大) |
15:35〜15:55 (20) | 13. 南極海洋と陸氷・海氷系の変動監視① | 青木茂(北大) |
15:55〜16:15 (20) | 14. 大型動物の広域・長期観測による東南極域の海氷生態系変動の解明① | 國分亙彦(極地研) |
16:15〜17:00 | 総合討論 | 野木(極地研) |
17:00 | 閉会 |
口頭発表:説明時間15分、質疑応答5分の計20分 または 説明時間12分、質疑応答3分の計15分
タイトルの後の番号は提案区分を表す。(①地球規模課題解決 ②知のフロンティア ③その他)
今回取りまとめる将来構想に盛り込むサイエンスの方向性について、広く研究コミュニティからアイディアの提案を募ります。
1)提案者
南極での観測研究を実施しようと考える方であれば、どなたでもご提案いただけます。また、ご自身が実施しない場合であっても、こういった観測研究を実施してほしい、あるいは実施すべきであるといったアイディアをお持ちの方のご提案も歓迎します。
2)提案区分
現在とりまとめている将来構想の中間報告では、将来のサイエンスの方向性を、①地球規模課題解決、②知のフロンティアの2つの区分に分けて取りまとめを進めています。提案にあたっては、どちらの区分での提案かを明記してください。
なお、本区分に該当しない提案、例えば、南極でのサイエンスの革新を促すような技術革新やプラットフォームの整備に関する提案なども、③その他の提案として受け付けます。
3)提案内容
将来(概ね2034年~2060年頃)に南極で実施したい、実施してほしい、あるいは実施すべき研究観測の内容の提案を募集します。提案には、区分ごとに以下の内容を含めてください。なお、提案内容は、2034年以前から継続しているものでも差支えありません。
①地球規模課題解決
・将来(概ね2034年~2060年頃)の時点で解決すべき社会的課題
・課題解決に向けて南極での観測が必要な理由
・実際に南極で実施する観測
・期待される成果
・観測実現に向けて必要なプラットフォーム・事業運営
②知のフロンティア
・キークエスチョン(明らかにしたい科学的な目的)
・南極での観測が必要な理由
・実際に南極で実施する観測
・期待される成果
・観測実現に向けて必要なプラットフォーム・事業運営
③その他の提案
・特に指定する事項はありません。
4)募集期間
平成30年5月3日〜6月29日(金)17:00
5)応募方法
提案応募シートと提案要旨を、募集期間内に、国立極地研究南極観測センター研究支援チーム(ant-kenkyu@nipr.ac.jp)宛お送りください。提案要旨作成にあたっては、提案要旨作成要領及びサンプルをご確認・ご活用ください。
提案シート | MS-Word |
提案要旨作成要領 | |
提案要旨サンプル | MS-Word |
提案要旨は、シンポジウムの予稿集として利用します。また、極地研レポジトリ上で公開いたしますので、要旨に含める図表等にはご注意ください。なお、要旨の著作権は発表者ご本人に帰属します。しかし、要旨を掲載した媒体(CD-ROM、USBメモリ、または冊子)を極地研が頒布する場合があることをご承諾の上、ご投稿ください。
1)発表の適否判断
応募いただいた提案内容を、国立極地研究所に設置した南極観測将来構想タスクフォースで確認し、シンポジウムの趣旨に適さないと判断した場合は、シンポジウムでの発表をお断りさせていただく場合があります。
2)発表形態
発表形態は口頭発表又はポスター発表とします。
3)口頭発表
口頭発表の場合、発表時間は、提案の説明時間12分、質疑応答8分の計20分を予定しています。ただし、発表総数によっては、変更する場合があります。変更する場合は、プログラム公開のタイミングに併せて、変更後の発表時間をご案内します。
なお、口頭発表の際には、発表資料をプロジェクターにてスクリーンに投影することができます。また、発表資料は今後の将来構想の作成の参考資料とさせていただくため、ご提出をお願いします。
4)ポスター発表
ポスター発表について、ポスターボードの大きさ等の情報は該当する提案者に、別にお知らせします。
提案発表者以外の方の参加も歓迎します。参加をご希望される方は、登録フォームより事前登録を行ってください。会場キャパシティの関係上、事前登録を打ち切る場合もございますので、予めご承知おき下さい。
※登録フォームの内容はSSLによって暗号化され保護されています。
将来構想は現在国立極地研究所で中間報告をとりまとめ中ですが、現行のコンセプト案は、以下でご確認いただけます。なお、コンセプト案は、適宜アップデートする場合があります。
(1)提案募集締め切り:6月29日(金)17:00 (締め切りました)
(2)プログラム公開:7月上旬
(3)中間報告公開:7月中旬
国立極地研究所南極観測センター研究支援チーム
ant-kenkyu@nipr.ac.jp
Tel:042-512-0740 / 0786