南半球の暦の上では晩秋の南極、しかし夏でも寒いこの地では、自然の季節感というものを感じる術がありません。折しも、例年になく早い日本の桜の開花状況を知らせる電子メールが次々と寄せられていたこともあり、今月のレクリエーション日には、日本人にとって欠かすことのできない一大イベント、「お花見」が計画されました。
かねてから全隊員が一本づつ手作りしていた桜の枝が持ち寄られ、管理棟食堂に設えられた特設会場の大幹に飾られます。和風の手作りインテリアに彩られ、工事用のブルーシートと段ボールの敷かれた会場と、淡い間接照明に照らし出された桜の花の雰囲気は、まさに日本の夜桜見物そのまま。そして、電子メールで送られてきた今年の日本の桜風景がスライド映写されます。調理隊員と生活班料理教室係による仕出し弁当も供され、饗宴の宵が更けていきました。
|