オゾンは、熱帯上空で作られゆっくりした流れに乗って南極や北極にまで運ばれてきます。この流れの季節変化により、南極オゾン層のオゾン量は、本来春に最大となるべきものです。ところが、フロンの関係する光化学反応によってオゾンが破壊され、この時期(春)南極のオゾン層に穴のあいたような状態「オゾンホール」が現れます。近年では南極大陸の2倍に及ぶ面積のオゾンホールが出現しています。
地球生物を有害な紫外線から守るオゾン層の将来予測のため、オゾン破壊の仕組みを徹底的に調べようと、現在ドイツを中心として,昭和基地を含む9つの基地が参加する、南極初の国際オゾンゾンデネットワーク観測が行なわれています。南極に到着したオゾンを含む空気は南極上空を取り囲む速いジェット気流で流されるので、これを複数の基地で次々と観測し、オゾン量の時間変化(つまり破壊量)を高精度で捉えようというものです。
左上図:国際オゾンゾンデ観測ネットワーク
写真右上:オゾンゾンデ放球
写真左下:気球とオゾンゾンデ(オゾンの観測器)の準備
写真右下:データ受信
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